記者会見の様子(左:上野研究員、右:沢田准教授)
放射光科学研究センターの上野哲朗研究員、沢田正博准教授を中心とする研究グループは、ナノメートル(10 億分の1 メートル)サイズの磁石の研究に特化した実験システムを開発しました。本実験システムを利用した研究により、原子サイズに迫る微小な磁石を用いた次世代の高密度磁気記録デバイス材料の開発など、ナノテクノロジーにおける飛躍的な発展に貢献します。
この研究成果は、米国の科学機器専門誌「レビュー・オブ・サイエンティフィック・インストゥルメンツ(Review of Scientific Instruments)」に近く掲載される予定です。
掲載に先立ち、平成24年12月11日(火)、東京オフィスで記者説明会を開催しました。
今回開発した実験システムの大きな特徴は、走査型トンネル顕微鏡を放射光の観測機器と直結し、真空状態の空間の中で検査材料を自由に行き来させて観測ができることです。本来、走査型トンネル顕微鏡は振動に敏感なため、耐震装置の上に設置しますが、建物に固定設置されている放射光の観測機器と直結すると、接続箇所からの振動により、走査型トンネル顕微鏡での観測に大きな支障をきたします。ところが、この実験システムでは、特殊なベローズ(蛇腹管)を使用して接続することにより、振動伝播を大幅にカットすることが可能となりました。
この実験システムの技術は、振動を嫌う機器を使用する他の実験にも応用が可能なため、ナノサイズ磁石の研究のみならず、ナノテクノロジー全般の研究発展に大きく貢献することが期待できます。
【お問い合わせ先】
(研究に関すること)
放射光科学研究センター
沢田正博
TEL: 082-424-6293
E-mail: sawa*hiroshima-u.ac.jp
(*は半角@に置き換えてください)
(記事に関すること)
広島大学学術・社会産学連携室広報グループ
Tel:082-424-6017
E-mail:koho*office.hiroshima-u.ac.jp
(*は半角@に置き換えてください)