21世紀科学プロジェクト群・総合科学研究プロジェクト「言語と情報の総合科学」
グループによる「言語と情報研究」公開セミナー(第13回)を下記の通り開催します。
どなたでも自由に参加できます(事前申し込み不要です)。
記
総合科学研究科・総合科学研究プロジェクト「言語と情報研究」第13回公開セミナー
【日時】 2007年3月20日(火) 午後3時〜5時
【場所】 広島大学総合科学部 J307教室 (総科J棟3F)
【演題】 「オートポイエーシスを取り込んだ言語理論の構築」
【講師】 岡本 順治 氏 (学習院大学文学部教授)
【要旨】 ソシュール以来、言語研究の中心は多くの場合ラングであり、その記述、
説明を中心に言語研究が進められてきた。社会言語学は理論的考察からは離れ、
言語の現実の姿を直視する「応用」分野であり、パロールを射程に収めた語用
論は、言語運用という「周辺的」側面を扱っている、と多くの場合見なされて
きた。生成文法では,普遍文法は動的な認知システムと考えられていても、個
別言語は、多くの場合、静的で均一なシステムと見なされている。
一方、Maturana & Varela (1973)に端を発するオートポイエーシスのシ
ステム論は、言語に対しても新たな見方を提供している。即ち、言語の普遍的
本質は、その「動態」(=動的平衡)にあり、構成要素から積み上げて作られ
た不動の建築物ではなく、<常に変わりつつある動的な体系>ではないか、と
いう想定である。この仮説は、フンボルト以来の「動態」としての言語の把握
の仕方とも合致する。生成文法 に対してのアンチテーゼ的色彩の強い
現在の認知言語学を、こういった観点から再構築できないだろうか?
【記事に関する問合せ先】
広島大学大学院総合科学研究科(担当:吉田光演)
[電話]082-424-6452
※広島市内から電話をお掛けする場合は、市外局番(082)が必要です。
[メールアドレス]mituyos@hiroshima-u.ac.jp