平成26年4月24日(木)、本学教員による広島夕学講座が開催されました。テーマは「科学が明かすヒロシマ・フクシマのいま」、講師は理学研究科 坂口 綾 准教授でした。 初めに、環境中における放射線について。「広島の放射線量は他県より多いのですが、なぜでしょう?」との質問に “原爆” を思い浮かべました。 ところが、実は広島県の地盤は日本列島が形成される過程で生まれた花崗岩であり、この花崗岩にはウランが多く含まれるからとのことでした。そして、自然界のどこにでも何にでも放射性物質は含まれており、これを利用することで、地球年齢の決定や、大気や海水の循環を明らかにすることができるとも話されました。 次に、福島の除染が難航している理由について。セシウムはアルカリ金属であるにも関わらず、雨で流されることなく土壌にとどまっているのはなぜか? それはセシウムが土壌の成分と強固に結合しているため。ならばこの結合を解くことができれば、除染は飛躍的に進むはず・・・この考えに沿って、今後も研究を進めていくと話されました。 続いて「黒い雨」について。降った地域を特定するために、広島原爆からのみ放出されたと思われる236Uの分布を調査したところ、実はグローバルフォールアウト(※)により、236Uは世界中に蓄積しており、黒い雨の範囲を限定する要素とはなり得ないとことが判明。 今後は、1945~1950年(原爆投下からグローバルフォールアウト以前)に建設された古民家の床下土壌を採取・分析し、黒い雨の範囲特定に繫げたい。そのためにはサンプルが圧倒的に不足しているので、ぜひ協力をお願いしたいと締めくくられました。 戦後約70年経った今も解明されていない「黒い雨」。解明にはまだまだ時間と労力が掛かりそうですが、尽きることない探求心とたゆまぬ努力、そして機動力をもって挑む坂口准教授の姿は、科学者であるまえに、一人の人間として、とても魅力的に映りました。
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サンプルの条件 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ |
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・・・・・・ ・・右の図で同心円の範囲内 |
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