【概要】
広島大学サステナブル・ディベロップメント実践研究センターの土居秀幸特任講師、龍谷大学の山中裕樹講師、神戸大学の源利文特命助教らは、次世代DNA定量法の1つであるデジタルPCR法を用いて、水の中に溶けているDNAから魚類生物量・個体数を推定する手法を開発しました。
デジタルPCR法を用いてコイのDNA量を測定することで、従来のリアルタイムPCR法などの手法よりも、高精度に魚(コイ)の生物量(水槽内の重さ)と個体数(水槽内の数)を推定できることがわかりました。
本研究成果は、3月23日(月)(米国東部標準時9時)付けで米国Public Library of Scienceの科学雑誌『PLOS ONE』にオンラインで掲載されました。
論文名:"Use of droplet digital PCR for estimation of fish abundance and biomass in environmental DNA surveys."
著 者:Doi,H., Uchii,K., Takahara,T., Matsuhashi,S., Yamanaka,H.,Minamoto,T.
実験風景
【期待される波及効果】
本研究では、わずか15ミリリットルの水からDNAの濃度を調べることで、魚の生息状況(特に生物量、重さ)を簡便かつ迅速に推定できる手法を開発しました。今後は、本研究によって確立した環境DNA定量手法を、野外での生物量の把握へと応用することが考えられます。また、希少種、外来種に特異的なDNAをターゲットとすることで、それらの生物の生息状況の調査へと応用することも期待できます。
【お問い合わせ先】
広島大学学術・社会産学連携室 広報グループ
Tel:082-424-3701
E-mail:koho※office.hiroshima-u.ac.jp (※は半角@に置き換えてください)