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STARTプログラムで学部1年生72人をインドネシア、台湾、オーストラリアに派遣しました



■第25回STARTプログラム(インドネシア)



2015年8月29日から9月11日までの2週間、第25回STARTプログラム(※)に学部1年生24人が参加し、引率の中矢礼美准教授(国際センター)ら3人の引率教職員とともに、インドネシア共和国東ジャワのマラン市にあるブラウィジャヤ大学に留学しました。



ブラウィジャヤ大学では、インドネシア語の授業の他、インドネシアの歴史、経済、政治、伝統芸能、環境問題、日本との関係、都市開発、食品加工などについて、英語による講義を受けました。参加した学生たちは、今までインドネシア語に触れたことはほとんどありませんでしたが、インドネシア語を学び、現地の方々と交流を重ねるごとに、現地の言葉でコミュニケーションすることの大切さを実感しました。また、英語による講義では、始めは慣れず、十分に理解できない部分もありましたが、日々の予習復習や、参加者同士での情報共有を経て、講義内容に関することやインドネシアに来て感じた疑問を英語で質問できるようになりました。



講義以外の場では、ブラウィジャヤ大学の学生と市内を見学したり、互いの国の文化を紹介しあったりして交流を深めました。そのほか伝統芸能の芸術体験や、寺院見学を通して、インドネシアの伝統と多様性を学びました。週末の2泊3日のホームステイでは、ホームステイ先の村の歓迎を受け、インドネシアのおもてなしの精神、そして、生のインドネシアの生活に触れることができ、大学で過ごすだけでは感じることのできない貴重な体験をすることができました。



最終日には、2週間の研修中に各自が関心を持ったテーマ(インドネシア人の日本語教育、医療事情、防災教育、コミュニティ開発、ゴミ問題など)について、現地での調査をもとに2週間かけてまとめた研究を英語で発表しました。また、送別会では研修中お世話になった先生、学生らが集まってくださり、充実した2週間を過ごせたことへの感謝を伝えるとともに、別れを惜しみました。



帰国後の事後研修では改めて、各自の研究発表内容とグローバル・コア・コンピテンシー(世界で通用する人材として必要となる能力)に基づく自身の成長を振り返り、客観的に自身を見つめ直すことで、これからの目標を再確認し、そこに向かってどのように努力すべきかを具体的に考えることができるようになりました。2週間という短い期間でありながら、自分たちの成長を感じることの出来る充実したプログラムでした。





日本語学科の授業でのディスカッション




インドネシアの伝統舞踊を体験




ホームステイ先の小学校を訪問




インドネシア語の授業

■第26回STARTプログラム(台湾)



2015年8月30日から9月13日までの約2週間、第26回STARTプログラム(※)に学部1年生18人が参加し、引率の前田直樹講師(社会科学研究科)ほか2人の職員とともに、台湾にある国立政治大学に短期留学しました。



現地では、3クラスに分かれての中国語の授業や「台湾の歴史」「日台関係」「人権」に関する講義を受けました。初めて中国語を勉強する学生もいましたが、どの学生も日々の授業や宿題などを通じて、外国語でコミュニケーションをとる喜びを感じていました。また、講義では、事前学習で学んだことと現地で実際に感じたことなどを各自で考察し、内容の濃い発言をしていました。



その他にも、国立政治大学の学生のアテンドで鄭南榕紀念館、台北二二八紀念館、中正紀年堂、故宮博物院での施設研修を行いました。施設見学中は、展示内容について政治大学の学生に質問をしたり、歴史や文化、個々の趣味や興味のあることなど幅広い話題について交流を深めました。



週末は、国共内戦の際、中国大陸との戦闘の最前線であった金門島を訪れ、戦いの跡が残る瓊林戦門坑道、馬山観測所、八二三戦史館、翟山坑道、金門旧蹟などを見学しました。対岸には中華人民共和国の軍艦を数隻確認でき、今なお続く政治問題について考える機会にもなりました。また、国立金門大学では、副学長を始め学生の温かい歓迎を受け、日台関係についての講義も受けました。その後、昼食を取りながら双方の学生および引率教職員が日本語、英語、中国語を駆使して歓談し、短時間ながらも確かな交流を育みました。



本プログラム中は、授業や施設研修、現地の大学生との交流と密度の高いものでしたが、学生たちは中国語の勉強やグループ発表に試行錯誤しながらも十分に準備して臨み、今後に繋がる経験を積むことができました。

また現地の教員や学生とSNSで連絡先を交換する姿も見受けられ、このSTARTプログラムでの成果が今後も発展していくことが見込まれます。帰国後に中国語を指導してくださった教員と日本で再会する約束をしたクラスもあるようです。



事後研修においても、歴史を学ぶことの意義、自身が大学で専攻している分野への向き合い方、現地の大学生との交流など多岐に渡っての発言が相次ぎ、充実した2週間であったことが窺えました。



このSTARTプログラムは参加学生がどのように取り組むかによって今後の大学生活に大きな影響を与えるものであり、また成長を促すものです。今回のSTARTプログラムを通して得たものを糧に、それぞれの目標に向かって挑戦していくことを確認し、参加者全員が事後研修後に絆を深めていました。





(左)国立故宮博物院でアテンドしてくれた政治大学の学生と

(右)学生の誕生日を政治大学の先生が祝ってくれました




(左)少人数授業で浴びるネイティブの音声シャワー!

(右)3クラス対抗でゲーム形式の授業。どっちが早い?




金門大学で双方の教職員、学生の交流会を実施

■第27回STARTプログラム(オーストラリア)



2015年9月11日から9月28日までの約2週間、第27回STARTプログラム(※)に学部1年生30人が参加し、吉中信人教授(大学院社会科学研究科)ほか2人の職員とともに、オーストラリアのアデレード市にあるフリンダース大学に留学しました。



第27回START(オーストラリア)の特長は次の4点です。

1.現地教員、現地学生と共に学ぶ充実の英語研修

2.大学の通常授業や特別講義をとおして留学を味わう

3.オーストラリア固有の問題に取り組むグループ発表

4.全学生が個別のホストファミリー宅にホームステイ



1.フリンダース大学附属語学学校の3人の英語教師の指導のもと、ワークブックを使った英語授業、グループワーク、現地学生とのディスカッション、さらには市内研修などをとおして、英語表現、発音、語彙、そしてオーストラリアの文化を学びました。また、現地の小学校を訪問し、日本の教育現場との比較を行い、折り紙などの日本文化を小学生たちに英語で紹介しました。学生たちは、英語が伝わる感覚を楽しんでいました。





現地学生とのディスカッション




小学生に日本文化を紹介



2.現地学生向けの大学の通常授業やオーストラリアに関する特別講義をとおして、講義英語に触れるとともに、専門的知識を得ることができました。さらに、将来的に単位互換などの長期留学を目指す学生たちにとって、現地学生が受ける授業英語のスピードや海外の大学での授業の様子を知る良い機会となりました。特別講義はディスカッションやグループワークをはさんだ形式で、内容の理解を確認しながら進められ、学生たちの満足度も高いようでした。





アボリジニに関する講義




現地学生たちと共に通常授業に参加



3.6つのグループに分かれ、30分程度の英語での発表を最終日に行いました。発表テーマとして、鉱物資源、水資源、アボリジニ、アジアとの関係、多文化共生、生物多様性といったオーストラリアならではのテーマを取り上げ、現地学生へのインタビュー調査などを行いながら発表を作り上げていきました。3人の先生方から教わった発表スキルを活用し、各グループともアカデミックかつユーモア溢れる発表をすべて英語で行いました。





現地英語教師による発表内容のチェック




グループ発表の様子



4.本研修にホストファミリーはなくてはならない存在です。バスの乗り方の指導や街の案内など生活面のサポートはもちろん、宿題を行ったり、休日に出掛けたり、大学以外のほとんどの時間を共に過ごします。初めはホストファミリーとうまくコミュニケーションがとれなかった学生も、日常的に英語に触れることで段々と会話ができるようになり、中には帰国後も連絡を取り合うほどの貴重な出会いを得た学生もいました。

1人ずつホストファミリー宅に滞在





最終日の送別会でこれまでの感謝を伝えるスピーチ

また、週末のカンガルー島研修では、オーストラリア固有の野生動物の生態や壮大な景観に触れることで、オーストラリアについて多角的に知見を広め、先生方や現地ガイドと共に有意義な時間を過ごしました。



以上のように、短い期間ではありましたが、充実した日々を過ごし、全員大きな病気や問題もなく全行程を終えました。帰国後の事後研修の際には、

「やる気満々で参加し、英語でのコミュニケーションも円滑に図れると思っていたが、全然だめだった。でも段々と、相手の言っていることを聞いて、返事ができるようになり、コミュニケーション能力が上がったと感じることができた。オーストラリアという遠い地に知り合いを作れたことが、これからの英語学習の支えになると感じた」

「初めは、英語に対する意欲は低かったが、現地の先生方との出会いや、高い意識を持った仲間との出会いを通じて、真に国際的な人材になりたいと思うようになった」

といった声も聞かれました。学生たちは一回りも二回りも成長し、新たな目標に向かって進み始めました。本学も共に進んでいけるよう、学生たちを全力で応援していきます。





※ STARTプログラムは、海外渡航経験の少ない1年生に、海外協定大学での授業や生活を体験させることを通じて国際交流や留学への関心を高めるきっかけを提供することを目的としたプログラムで、平成22年度から平成27年度前期までに計27回実施しています。平成27年度前期には、インドネシア、台湾、オーストラリアの3コースを実施しました。本プログラムでは研修費用の一部を広島大学基金および広島大学から補助することで学生の経済的負担を減らし、より多くの学生が留学に挑戦する可能性を広げています。参加学生は約2ヵ月間の事前学習を経て海外研修を行い、帰国後に事後研修を行いました。





【問い合わせ先】

広島大学教育・国際室国際交流グループ

TEL:082-424-4346

E-mail:kokusai-ryugaku(AT)office.hiroshima-u.ac.jp

※(AT)は@に置き換えてください。


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