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【研究成果】ニホンアマガエル、国内東西では別々の種類か?~遺伝的に異なる2つのグループを確認~



ドイツ、スイス、中国、ロシア、韓国と広島大学の三浦郁夫准教授の国際研究チームは、日本、韓国、そしてロシア、中国に生息するニホンアマガエル(Hyla japonica)の遺伝的な地域差を調べました。その結果、このカエルは大きく2つの遺伝的グループから構成されていることが明らかとなりました。とくに、日本列島の本州中央部を境界にして東西2つに大きく分かれ、それぞれのグループが近隣国の集団をも含むことが示されました。従って、日本に生息するニホンアマガエルは従来の単一種ではなく、少なくとも2つの異なる種から構成されている可能性が示されました。

この研究成果は、2016年11月23日10時(日本時間)、「BMC Evolutionary Biology」に掲載されました。

【本研究成果のポイント】
・ 日本海周辺の4カ国に広く生息するニホンアマガエルは、2つの遺伝的地域グループから構成されていることを初めて明らかにしました。
・ その2つのグループの境界線は、日本国内の集団を東西に分断していることが示されました。

図1 ニホンアマガエル (Hyla japonica
体長が3−4cm、手足に吸盤を持ち、一般に背中が緑色のカエル。北海道から九州、南西諸島以外の近隣諸島を含む日本各地に棲息する。5月から7月にかけて、主に水田で産卵し、地方の至るところで鳴き声を聞く事ができます。

図2 ニホンアマガエル集団の遺伝的違い
遺伝的違いを色分けしてある。黄色から赤までが東のグループ、青から緑が西のグループを示す。日本本州の集団6と7の間で大きく2つに分かれる(点線)。小さい四角は韓国と中国に生息する別の種を示す。

【論文に関する情報】
<タイトル>
Phylogeography reveals an ancient cryptic radiation in East-Asian tree frogs (Hyla japonica group) and complex relationships between continental and island lineages

<著者>
Christophe Dufresnes, Spartak N. Litvinchuk, Amael , Yikweon Jang, Jia-tang Li, Ikuo Miura, Nicolas Perrin, Matthias
第一著者 Christophe Dufresnes, University of Lausanne (Switzerland)
責任著者 Matthias , Leibniz-Institute of Freshwater Ecology and Inland Fisheries (Germany)

<掲載雑誌>
BMC Evolutionary Biology

<DOI番号>
DOI:10.1186/s12862-016-0814-x

【本研究成果に関する問い合わせ先】
両生類研究センター 准教授 三浦郁夫
Tel:082-424-7323 FAX:082-424-0739
E-mail:imiura*hiroshima-u.ac.jp(*は半角@に置き換えて送信してください)


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