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【研究成果】白色脂肪組織の炎症を体外から観察できる遺伝子改変マウスの作製に成功—アンチメタボを指向した新しい食品機能評価法—



広島大学大学院生物圏科学研究科の矢中規之准教授は、テキサス大学(米)、ラドバウド大学(蘭)、九州大学との共同研究によって、脂肪組織の炎症を体外から観察する遺伝子改変マウスの作製に成功しました。肥満脂肪組織の炎症は糖尿病や高血圧などのメタボリックシンドロームの成因として重要であり、食品の働きによって抑制することが期待されています。肥満脂肪組織の炎症時に化学発光が行なわれる同マウスを体外から観察することで、継時的に食品の機能性を評価することが可能となります。体外からの非侵襲的な評価方法は、実験動物に関する社会的問題についても一つの解決策を呈示するものです。

本研究成果は、平成28年12月8日、英国の科学誌「Scientific Reports」オンライン版に掲載されました。

【本研究成果のポイント】
●白色脂肪組織の炎症によって生体内で化学発光が行なわれる遺伝子改変マウスの作製に初めて成功しました。
●化学発光を体外から観察することで、同一の動物を長期にモニターする新しい食品機能評価方法として利用可能です。
●動物を殺さず、体外から評価できることで、社会的問題となっている実験動物の使用数の削減に貢献します。


正常の食餌を与えた場合(左)と比較し、高脂肪食を長期(8週間)与えた場合には白色脂肪組織の化学発光が認められました。

【論文に関する情報】

<雑誌名>
Scientific Reports

<論文タイトル>
Serum Amyloid A3 Gene Expression in Adipocytes is an Indicator of the Interaction with Macrophages

<著者名>
Yohei Sanada, Takafumi Yamamoto, Rika Satake, Akiko Yamashita, Sumire Kanai, Norihisa Kato, Fons AJ van de Loo, Fusanori Nishimura, Philipp E. Scherer, Noriyuki Yanaka(責任著者)

<DOI番号>
10.1038/srep38697

【本研究成果に関する問い合わせ先】
広島大学大学院生物圏科学研究科 准教授 矢中 規之 (やなか のりゆき)
電話:082-424-7979
E-mail:yanaka*hiroshima-u.ac.jp (*は半角@に変換のうえ、送信してください)

 

 


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