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【研究成果】遠方の星形成銀河でさぐる宇宙の泡構造~暗黒物質(ダークマター)の中で進化する銀河にせまる~

本研究成果のポイント

  • 広島大学の研究者が開発に参画した、大型望遠鏡のなかで世界最大の視野を持つ国立天文台すばる望遠鏡超広視野カメラ Hyper Suprime-Cam (HSC)を用いて、本研究の基礎となる撮像観測を行いました。
  • そのHSCのデータから明らかにした暗黒物質の分布と銀河の3次元分布を直接比較するこれまでとは異なる新たな手法を開発し、「暗黒物質の集積と銀河における星形成の歴史」の関連を明らかにしました。
  • 暗黒物質の分布と銀河の3次元分布図を詳細に比較することで、宇宙の歴史をさらに探ることが期待できます。

概要

このたび、広島大学宇宙科学センター内海洋輔特任助教らの研究グループは、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ(HSC)を使って、本来は「見えない物質」である「暗黒物質(ダークマター)」の分布図を作成しました。

その暗黒物質の分布図と、「見える物質」である銀河の大規模な3次元サンプルから銀河分布図を作成して比較し、暗黒物質の分布と銀河分布の様子がよく似ていることを確認しました。

さらに、暗黒物質の分布図と、距離の異なる銀河の3次元分布図を比較するという新たな手法で、暗黒物質の集積の歴史と銀河の星形成が関連していることを明らかにしました。

今後はより遠方の銀河の観測を行う装置を開発することで、宇宙進化の中における暗黒物質と銀河の関係をさらに解明することが期待できます。

この研究成果は、2016年12月14日に発行された天文学誌『アストロフィジカル・ジャーナル』に掲載されました (Utsumi et al. 2016, ApJ, 833,156 “A Weak Lensing View of the Downsizing of Star-forming Galaxies”)。また、この研究成果は、JSPS 科研費 (JP26800103, JP24103003) によるサポートを受けています。

論文情報

  • 論文題目:A Weak Lensing View of the Downsizing of Star-forming Galaxies
  • ​著者名:Yousuke Utsumi*(広島大学), Margaret J. Geller, Ian P. Dell'Antonio, Yukiko Kamata, Satoshi Kawanomoto, Michitaro Koike, Yutaka Komiyama, Shintaro Koshida, Sogo Mineo, Satoshi Miyazaki, Jyunya Sakurai, Philip J. Tait, Tsuyoshi Terai, Daigo Tomono, Tomonori Usuda, Yoshihiko Yamada, Harus J. Zahid
    *Corresponding author(責任著者)
  • 掲載誌:The Astrophysical Journal
  • DOI番号:10.3847/1538-4357/833/2/156
お問い合わせ先

広島大学宇宙科学センター(特任助教 内海 洋輔)

TEL:082-424-6278
E-mail:youtsumi*hiroshima-u.ac.jp(注:*は半角@に置き換えてください。)


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