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広島大学理学研究科(宇宙・素粒子科学講座)の高橋弘充助教が、国際共同研究チーム「X-Calibur(エクスカリバー)」の一員として、2018年11月から12月にかけて、南極で気球を使った天体観測実験を実施します。実験では、直径100mの巨大気球を上空40km(飛行機が飛ぶ位置の約4倍の高度)まで打ち上げ、天体が放つ光(X線)の観測を行います。
天体が放つ「光」の中には、放射に高いエネルギーを必要とする「X線」が含まれています。高橋助教らのチームは、X線を観測することで、「天体がなぜ・どのようにして高エネルギー放射(X線)を出しているのか」を明らかにしようとしています。
これまで、X線の「偏光」は、検出器の精度などから詳細な情報を調べることが難しいとされてきました。高橋助教らの国際共同研究チームは、10年以上かけて精度の高い検出器の開発に取り組み、2017年に世界で初めて、北極上空で天体が放つX線の偏光情報を観測しました。(詳細はこちら)
今回の実験では、さらに検出器の改良を重ね、南極の上空40kmへ気球を打ち上げて観測にチャレンジします。
高橋 弘充 助教
世界初となる、天体からのX線の偏光情報の「詳細な観測・データ分析」を目指して、高橋助教は「今回の南極でのフライトの後、回収した検出器を改良して、数年後にはより高感度な観測を目指しています。そのために、広島大学だけでなく、日本中の大学・機関から研究者が参加して一緒に頑張っています。」と、今後の意気込みを語りました。
■「X-Calibur(エクスカリバー)」:
米国ワシントン大学に拠点を置く国際共同研究チームで、日本からは、広島大学をはじめ、大阪大学や理化学研究所などの研究機関が参加しています。
広島大学広報グループ