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【研究成果】局所的な電子の運動を計測する新しい手法の開発に成功 ~次世代の物性計測・分析手法として期待~

本研究成果のポイント

  • 局所的な電子の運動を計測する新しい測定手法(高速/精密モード)を開発
  • 新測定手法により、従来の測定の倍速化や大幅な精密化を達成
  • オペランド計測※1への応用など、次世代の物性計測・分析手法として期待

概要

広島大学大学院理学研究科の岩澤英明特任准教授、大学院生の田北仁志氏(博士後期在学)、広島大学放射光科学研究センターのアイケ・シュヴィア助教、島田賢也教授、産業総合技術研究所電子光技術研究部門の相浦義弘研究グループ長を中心とする研究グループは、本研究グループが、近年、世界に先駆けて開発した、世界最高峰のエネルギー分解能と空間分解能を両立した角度分解光電子顕微分光※3装置を用いて、局所的な電子の運動を計測する新しい2つの測定手法(高速/精密モード)の開発に成功しました。高速モードでは、従来の測定時間を50%削減した高速測定が可能となりました。精密モードでは、試料の回転を伴う測定においても、試料の偏芯を予測し、試料上の目的位置を高精度(10ミクロン以下)に追跡した測定が可能となりました。

今回の研究成果は、角度分解光電子顕微分光の実験効率・精度を大きく向上させることから、局所計測・分析技術の発展に大きく貢献します。また、局所領域の光電子顕微測定を活用した機能性材料のオペランド計測などの応用研究への展開も期待できます。さらに、角度分解光電子顕微分光に限らず、様々な光電子分光装置への適用も可能であることから、広く光電子分光に関わる計測・分析技術の発展に大きく貢献します。

本研究成果は、英国Nature Publishing Group のオンライン科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。

用語説明

※1.オペランド計測:
オペランド(Operando)とは、ラテン語で“operation”を意味し、電子デバイスなどの動作下での測定・実験を広く指します。角度分解光電子顕微分光のオペランド計測では、動作下・外場下のデバイス試料中の電子の運動を局所計測・分析することで、デバイス上のどこで、どのように機能・反応・劣化が生じるのかを明らかにすることが出来ます。

※2.角度分解光電子分光:
固体に光を入射して、光電効果により固体外に放出される電子の「エネルギー」と「角度」を計測することで、固体中で電子の運動を調べる実験手法(図1の模式図を参照)。

※3.角度分解光電子顕微分光:
角度分解光電子分光法と同じ原理の手法ですが、微小集光した入射光を利用することで、試料表面の局所領域を選択的に調べることが出来ます(図1の模式図を参照)。

論文情報

  • 掲載雑誌: Scientific Reports
  • 論文題目: Accurate and efficient data acquisition methods for high-resolution angle-resolved photoemission microscopy
  • 著者: Hideaki Iwasawa, Hitoshi Takita, Kazuki Goto, Wumiti Mansuer, Takeo Miyashita, Eike F. Schwier, Akihiro Ino, Kenya Shimada, and Yoshihiro Aiura
  • DOI: 10.1038/s41598-018-34894-7
【お問い合わせ先】
広島大学大学院理学研究科物理科学専攻
特任准教授 岩澤 英明

TEL: 082-424-7471
E-mail: h-iwasawa*hiroshima-u.ac.jp (*は半角@に置き換えてください)


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