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【研究成果】腎臓病の初期病変を体外から観察する遺伝子改変マウスの作製に成功 ―腎臓病の予防を目指した新しい食品機能評価法―

本研究成果のポイント

  • 血液中の腎臓のマーカーが上昇する前の腎臓病の初期の状態において生体内で化学発光が行なわれる遺伝子改変マウスの作製に成功しました。
  • 化学発光を体外から観察することで、初期の病変を観察し、動物が生きたまま短期間で評価できる、また同一の動物を継時的にモニターしうる新しい食品機能評価方法として利用可能です。
  • 機能性食品素材として期待されている糖転移ヘスペリジンの摂取は動物実験において腎炎の発症を抑制することが見出されました。
  • 動物を殺さず、体外から評価できることで、社会的問題となっている実験動物の使用数の削減に貢献します。

概要

広島大学大学院統合生命科学研究科の矢中規之准教授は、重井医学研究所(岡山市)、ラドバウド大学(オランダ)との共同研究によって、腎臓病の初期の病変を体外から観察する遺伝子改変マウスの作製に成功しました。腎臓病は進行すると腎不全に至る重篤な病気であり、食品の機能性によって予防することが期待さています。腎臓病の初期に化学発光が行なわれる同マウスを体外から観察することで、食品での予防効果を短期間で評価し、また同じマウスを用いて継時的に機能性を解析することが可能となります。実際に、機能性食品素材として期待されている糖転移ヘスペリジンの摂取は化学発光を抑制し、その後の血液中の腎臓のマーカーの上昇や腎炎の発症を抑制しました。体外からの非侵襲的な評価方法は、実験動物に関する社会的問題についても一つの解決法を呈示するものです。本研究成果は、英国科学誌「Scientific Reports」にオンライン公開されました。

高感度のイメージング機器の中で麻酔したマウスを撮影

論文情報

  • 掲載雑誌: Scientific Reports
  • 論文題目: The serum amyloid A3 promoter-driven luciferase reporter mice is a valuable tool to image early renal fibrosis development and shows the therapeutic effect of glucosyl-hesperidin treatment.
  • 著者: Thanutchaporn Kumrungsee, Taishi Kariya, Kotaro Hashimoto, Takayuki Koyano, Nao Yazawa, Takao Hashimoto, Yohei Sanada, Makoto Matsuyama, Yusuke Sotomaru, Hiroaki Sakurai, Fons AJ van de Loo, and Noriyuki Yanaka(責任著者)
【お問い合わせ先】

広島大学大学院統合生命科学研究科 准教授 矢中規之

TEL:082-424-7979 

E-mail:yanaka*hiroshima-u.ac.jp (注:*は半角@に置き換えてください) 


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