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研究成果ー「蛇紋岩」分布説を提唱しました



「水に富んだマントルウェッジ内の蛇紋石の変形により生成される海溝に平行な異方性」

~沖縄諸島下に潜り込むプレート境界での蛇紋岩の存在は巨大地震の抑制につながる?~

このたび、広島大学と静岡大学の共同研究チーム(代表:片山郁夫 助教)からなる研究チームは、マントルに水が供給された場合に生成される蛇紋岩に注目し、実験室でプレート境界に近い高温高圧条件を再現し、蛇紋岩を変形させたところ、沖縄諸島下で報告される地震波特性(異方性)は蛇紋石の選択配向性により説明することができることを明らかにしました。

蛇紋岩は地すべり地帯にもよく見られるように歪みを蓄積することが困難な岩石です。琉球諸島のプレート境界上での蛇紋岩の存在は、この地域ではプレート境界型(深部)の大地震は起こりにくいことを示唆しています。一方、東北日本で観察される異方性からは蛇紋岩の存在は確認されず、この地域ではプレート境界に蓄積した歪みを解放するために地震活動が頻繁に起きる可能性が考えられます。今後、プレート境界での蛇紋岩の分布をより詳細に検出することができれば、将来起こりうる巨大地震の可能性を評価することにも役立つと期待されます。



この成果は、平成21年10月22日(イギリス時間)の英国科学誌「nature」に掲載されました。

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【問い合わせ先】

広島大学大学院理学研究科地球惑星システム学専攻

助教 片山郁夫(かたやま いくお)

TEL:0824-24-7468(直通)

E-mail:katayama@hiroshima-u.ac.jp(@は半角@に置き換えてください)


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