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【研究成果】メタ解析によって酸化ストレスと低酸素刺激の共通因子を同定

本研究成果のポイント

  • 酸化ストレスは活性酸素種(ROS)の体内での上昇に伴い発生する生命現象であり、様々な疾患に関わっています。本研究では、公共データベース(公共DB)に蓄積したデータを利活用し、データ駆動的に新規の酸化ストレス応答性遺伝子候補を発見しました。
  • 酸化ストレスと低酸素刺激は共に酸素に関連しますが、区別されたストレス関連生命現象です。公共DBに蓄積された遺伝子発現データ群に基づいて二種類のストレスにおける共通因子を同定しました。
  • 本研究成果及び研究手法は、今後のゲノム編集による有用物質生産生物開発に向けた研究における重要なリソースとして活用されることが期待されます。

概要

 広島大学大学院統合生命科学研究科の鈴木貴之大学院生、小野擁子大学院生と坊農秀雅特任教授は、公共データベース(公共DB)に蓄積されたデータを利用することによって酸化ストレスに応答する複数の新規候補遺伝子を同定しました。
 さらに、データの統合的な解析(メタ解析)によって得られた二種類のストレス(酸化ストレスと低酸素刺激)応答遺伝子群を比較することによって、データ駆動的にそれらストレスの共通因子を発見しました。
 多くの疾患に関与する酸化ストレスに応答する新規候補遺伝子の発見は関連疾患メカニズムや疾患治療に今後繋がる可能性があります。また、本研究で用いたデータ駆動的に生命現象の比較を行う手法は今後のバイオデジタルトランスフォーメーション(バイオDX)において重要な手法の一つとなると考えられます。
本研究成果は、スイスの出版社Multidisciplinary Digital Publishing Institute (MDPI)のBiomedicines誌に12月3日(日本時間)に掲載されました。

図1 メタ解析における遺伝子群同定のスキーマ図

論文情報

  • 掲載誌: Biomedicines
  • 論文タイトル: Comparison of Oxidative and Hypoxic Stress Responsive Genes from Meta-Analysis of Public Transcriptomes
  • 著者名: Takayuki Suzuki, Yoko Ono, Hidemasa Bono* 
    * Corresponding author(責任著者)
  • DOI: https://doi.org/10.3390/biomedicines9121830
【お問い合わせ先】

大学院統合生命科学研究科
特任教授 坊農 秀雅
Tel:082-424-4013
E-mail:bonohu*hiroshima-u.ac.jp

(注: *は半角@に置き換えてください)


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