文部科学省の平成16年度法科大学院等専門職大学院形成支援プログラムの実践的教育推進プログラム部門で、広島大学から申請した「法律相談事例を活用した実務基礎教育の充実」が採択されました。
また、教育高度化推進プログラム部門では、名古屋大学ほか9校と共同プロジェクトとして申請した「実務技能教育教材共同開発共有プロジェクト」も採択されました。
概要は次のとおりです。
○「法律相談事例を活用した実務基礎教育の充実」
本学法務研究科(法科大学院)に付置するリーガル・サービス・センター(LSC)の活動を多面的に活用することによって、実務基礎科目(「リーガル・クリニック」「民事訴訟実務基礎」「民事法総合演習」「法文書作成」「ローヤリング」など)の教育を充実し、ビジネス法分野に強い法曹の養成という本法科大学院の目標に相応しい内容とする。
1.「リーガル・クリニック」の学習効果の増大に向けた取組み
【事前のトレーニング】
①教員・弁護士によるLSCでの法律相談の傍聴
②LSCにおける法律相談事例を基礎にした模擬相談(解決案の作成)
【「リーガル・クリニック」の中での法律相談の実践】
③担当教員の指導の下での学生による法律相談の実践
【事後の検証と改善のための検討】
④学生による法律相談を録画したビデオに基づく検証と改善のための検討以上の各段階を経て、学生のコミュニケーション能力や問題解決能力を高める。
2.教材の作成
①法律相談事例をドラマ化したシナリオに基づいてビデオを作成し、「リーガル・クリニック」「ローヤリング」などの各種実務基礎科目を学生が自主的に反復学習するための教材として活用する。
②LSCに蓄積された法律相談事例の中から適切なものを編集して、「民事訴訟実務基礎」「民事法総合演習」「法文書作成」その他の実務基礎科目のモデル・ケースとして利用する。
3.地域におけるリーガル・サービスの充実
LSCの活動の一環としてのリーガル・クリニックを充実・発展させることによって、学生が主体的に参加してリーガル・サービスを実施する。
①弁護士過疎地域における法律相談
②LSCに持ち込まれた法的紛争についての和解案の提示、仲裁
4.ビジネス法分野での法律相談事例を基礎にしたデータベースの構築
LSCに蓄積されたビジネス法分野の法律相談事例を基礎にしたデータベースを構築する。これによって、地方都市の法的紛争の特徴に対する学生の理解を深め、将来的には、地域の現職の弁護士の再教育、さらには、ビジネス法分野での新たな教育プログラムの開発に結びつける。
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広島大学東千田地区部局長・教育研究活動支援室 井口
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