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田中若奈助教、橋本涼太准教授が文部科学大臣表彰 「若手科学者賞」を受賞

(賞状等伝達後に越智学長と)

令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰において、広島大学大学院統合生命科学研究科 助教 田中若奈と同大学院先進理工系科学研究科 橋本涼太が「若手科学者賞」を受賞することが決定しました。

表彰式は、4月20日(水)に文部科学省にて実施されます(本学の受賞者は出席しません)。

【受賞者】
田中 若奈(広島大学大学院統合生命科学研究科 助教)

【業績名】
「植物の分裂組織に関する分子発生遺伝学的研究」

【業績概要】
 
従来、植物発生学研究では、多様な植物種における形態形成機構の共通性と多様性に関する研究や、特定の植物に特有な器官・構造に関する研究は、十分になされていなかった。
 田中助教は、イネを研究材料とし、特有な形態をした花とブランチ(枝)の形態形成機構を、植物発生の根幹である分裂組織(幹細胞集団)の役割と関連させて明らかにした。また本研究により、イネと、進化的に遠縁なシロイヌナズナにおける、花とブランチの形態形成の制御機構の共通性と多様性も明らかになった。
 本研究成果は、植物発生の基本原理の解明をもたらすことから、生物学の教科書を書き換え学校教育に寄与することに加え、イネの花やブランチの形態形成は米の収量と密接に関係していることから、イネの品種改良に向けた研究にも応用可能であると期待される。
 

【受賞者】
橋本 涼太(広島大学大学院先進理工系科学研究科 准教授)

【業績名】
「地盤と岩盤の力学に立脚した石積文化財の安定性評価法の研究」

【業績概要】
 カンボジア王国の世界遺産、アンコール遺跡では、石積文化財の変状や崩壊が多数発生している。その要因の一つとして、建造物を支える地盤の変形や破壊が指摘されてきたが、地盤と石積の相互作用を考慮した力学的な安定性評価法は確立されていなかった。
 橋本准教授は、地盤と石積、そして両者が接触する境界の変形挙動を統一的に評価可能な力学解析手法(弾塑性NMM-DDA)を開発した。さらに、開発した手法によりアンコール遺跡に現存する建造物の安定解析を実施し、基礎の支持力不足による不安定化メカニズムを明らかにするとともに、そのメカニズムに基づいた簡便な支持力評価式を構築した。
 本研究成果は、今後、アンコール遺跡の建造物修復時の補修方法の設計に利用できる他、国内の城郭石垣などの他の石積文化財の保全にも幅広く応用可能であると期待される。
 

【お問い合わせ先】

広島大学大学院統合生命科学研究科 助教 田中 若奈
TEL:082-424-7927 E-mail:wakanat*hiroshima-u.ac.jp(*を@に変換してください)

広島大学大学院先進理工系科学研究科 准教授 橋本 涼太
TEL:082-424-7785 E-mail:ryotahashimoto*hiroshima-u.ac.jp(*を@に変換してください)


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