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被爆して亡くなった画学生に思いをはせる 総合科学部の学生たちが平山郁夫美術館を見学

広島大学総合科学部の学生5人が尾道市立大学芸術文化学部の学生3人とともに6月5日、「無言館所蔵作品による ふたりの被爆画学生展―手島守之輔・伊藤守正―」を開催中の平山郁夫美術館(尾道市瀬戸田町)を訪れ、志半ばで命を奪われた同世代の画学生に思いをはせました。

(無言館の窪島館主とともに絵を鑑賞する学生たち)

展示されているのは、広島で被爆した竹原市出身の手島守之輔と、長崎で被爆した伊藤守正が描いた人物や静物、風景などを描いた計28点。戦没画学生を慰霊する長野県上田市の無言館の所蔵で、中には巻かれた状態で実家の蔵から見つかり、油絵の具のはがれた跡が残る大作も出品されています。
二人はともに東京美術学校(東京芸術大学の前身)で美術を学び、応召中に被爆して亡くなりました。戦前から戦中の時期にもかかわらず、落ち着いた色調でほのぼのとした小品が見学者の目を引きます。

(作品展を見た後、学生たちは窪島館主㊨と感想を語り合った)

無言館館主の窪島誠一郎さんとともに鑑賞した後、思い思いに感想を語り合いました。作品に描かれた女性像について友達と想像を巡らせたという男子学生は「これまでの美術館とは異なる楽しみ方ができた」と話しました。また、女子学生の一人は女性の赤らめたほおの描写に「戦争という時代の中で、女性へのまなざしを感じた」と印象を述べました。
窪島さんは「戦争で生を散らした画学生たちもまた、皆さんと同じように『絵を描きたい』という情熱を持った若者であったことを、作品と向き合って知ってほしい」と話していました。同展は7月22日まで。

(会場には被爆して亡くなった画学生の作品が展示されている)

広島大学は2018年に平山郁夫美術館と包括的研究協力協定を結び、ミュージアム・コミュニケーションに実践的研究などに関する連携協力を行っています。

【お問い合わせ先】

平山郁夫美術館

TEL:0845-27-3800


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