広島大学大学院人間社会科学研究科 教授 野島 永
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1971年から1979年にかけて、広島大学文学部考古学研究室(松崎寿和教授・ 潮見浩助教授)はアジアにおける東西文化交流の解明を目的に、イラン学術調査隊を組織し、現地での遺跡調査を実施しました。
海外渡航が一般的ではなかった50年前、イランでの学術調査は冒険ともいえる挑戦でした。本展示では学術調査隊発足から調査の成果を、当時の記録や現地の写真などを交えて紹介するとともに、調査によって得られた貴重な考古資料を公開する記念展示を行います。調査がどのようなものだったのかを皆様に知っていただけたらと思います。
29日には、当時の調査に参加した古瀬清秀広島大学名誉教授や、イラン考古学の研究を行う有松唯准教授(大学院人間社会科学研究科)、 また彩文土器などの美学や考古資料展示の観点から桑島秀樹教授(大学院人間社会科学研究科)に加わっていただき、ギャラリートークを予定しています。
この学術調査隊では学術メンバー以外に中国新聞社報道部の記者も同行し、その調査活動が中国新聞で紹介されました。また、マツダ(当時、東洋工業株式会社)には、3列シート8人乗りの初代「ボンゴ」を無償貸与いただくなど、広島の方々に助けられながら実現した学術調査でもありました。
オール・ヒロシマでの学術成果でもあったことから、今回広島市内での展示を行う意義を感じています。
日時
4月25日(火)~29日(土) 11:00~20:00
4月30日(日) 11:00~13:00
※ギャラリートークは29日(土)17:30~19:00に開催予定。
開催場所
展示内容
- ギャラリーG 1階 広島大学イラン学術調査隊の軌跡と出土遺物
・テぺ・ホセナバード遺跡・テぺ・アンジラーブ遺跡出土資料(彩文土器・暗色磨研土器ほか)
・調査時に現地購入、表採した資料、バイメタル剣(青銅柄鉄剣)、日干しレンガなど
・地図や発掘調査、調査風景の写真、調査当時のイランの様子がわかる写真
・当時の中国新聞記事、調査時の各種許可証、実際の調査で使用した測量機器、フィルムカメラ、野帳 - ギャラリーG 2階 麦栽培とイラン
・サンギチャハマック遺跡出土石鎌
・テぺ・アンジラーブ遺跡のサドルカーン(製粉のための鞍形石皿)
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