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オオサンショウウオ保全対策プロジェクト研究センターを設立しました

世界最大級の両生類であるオオサンショウウオは、国の指定する特別天然記念物であり、中国地方が分布の中心です。東広島市は、過去12年間の調査により、本種の個体群が豊富で、保全上極めて重要な自然の繁殖巣穴を保有する繁殖群であることがわかってきました。
しかしながら、孵化後の幼生が生残出来ていない環境であること、堰堤により個体群が分断され、健全な繁殖が制限されていること、近年の頻発する豪雨により下流へ流出していることなど次々と問題点が明らかとなって来ています。

さらに、2022年には広島市において、外来種であるチュウゴクオオサンショウウオとの交雑種を多数発見しました。交雑種の分布は関西を中心に急拡大が続いており、最初に確認された京都市の鴨川水系では移入から約30〜40年で約98%のオオサンショウウオが交雑種に置き換わったことが報告されているなど、国産純粋種の保全が火急の課題となっています。このように国の特別天然記念物である本種は危機的な状況にあり、その保全対策の検討と早急な実施が求められています。

そこで、本学は、5月1日にオオサンショウウオ保全対策プロジェクト研究センターを設立しました。今後、野外調査技術とDNA鑑定、環境DNA等の技術、教育普及実績を持つ学内外の研究者が参集し、調査研究の全国展開を目指します。同日、本学のきてみんさいラボで開催した記者説明会で、清水 本学総合博物館准教授は、オオサンショウウオの抱える課題等について説明した後、「川の生態系の頂点にいるオオサンショウウオを守ることで、その下にいる生き物や豊かな日本の自然を守ることにつなげたい」と抱負を述べました。

本学きてみんさいラボ(広島市)での記者説明会

三浦 本学両生類研究センター准教授による説明の様子

【お問い合わせ先】

広島大学 総合博物館 清水則雄、両生類研究センター 三浦郁夫

Tel:082-424-4212
E-mail:norios*hiroshima-u.ac.jp(*は半角@に置き換えてください)


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