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[G7]G7広島サミットレガシーイベント開催 認知症の研究や政策を世界へ!

 5月28日の13~17時、霞キャンパスの凌雲棟で、2023 G7広島 サミットのレガシーイベント「認知症を考える~共生社会とイノベーションを日本から~」(主催:日本医療政策機構/協力:広島大学)が開催されました。グローバルな政策課題である「認知症」について、日本が国際社会をリードしていくため、「共生社会とイノベーション」の観点から、現在の課題、実現に向けた取り組み、今後の展望などについて議論しました。
 日本医療政策機構の代表理事で、本学の特別顧問も務めておられる黒川清世界認知症審議会委員・副議長は、「認知症は、年齢を重ねると出る『しわ』と同じ。身近なこととして捉え、どうすれば早くわかり良くなるか考えながら聞いていただきたい。専門家以外の方の知見が役立つこともあり、皆さんの知恵に期待します」と挨拶されました。
 最初のパネル討論会「日本の認知症国家戦略と国際社会への貢献~G7を振り返って」では、本学大学院医系科学研究科共生社会医学講座の石井伸弥寄附講座教授ら3名が登壇し、先のG7広島サミットやG7長崎保健大臣会合での取り組みを振り返り、日本の認知症への取り組み状況や、いかに国際貢献につなげていくかなどを討議しました。
 石井寄附講座教授は、「認知症の人を地域で支える様々な仕組みや、認知症サポーターの多さなど、日本の認知症への取り組みは世界に誇れる」と賞賛する一方、「さらなる普及啓発や本人の意思に寄り添った施策展開などが課題」と指摘し、「これらの取り組みを継続的に世界へ発信していくことが重要」と訴えました。

黒川清世界認知症審議会委員・副議長

石井伸弥特任教授

 その後は、岩坪威東京大学大学院教授による「認知症をめぐるイノベーションの現状と今後の展望」をテーマとした基調講演や、二つのパネル討論会「認知症治療におけるイノベーションと今後の医療提供体制」および「認知症のリスク低減・早期発見とイノベーション」が開かれました。
 閉会にあたり、本学の田中純子理事・副学長が、「認知症の研究、認知症の人を抱える家族への支援、行政施策などで日本の有意性が発信できた。新たな治療の可能性や、効果的予防なども紹介され、人類史上類を見ない超高齢化社会という困難を乗り越える将来展望も示せた」と成果を称え、「本学は持続可能な発展を導く科学を実践する知の拠点として、共生と予防を目指す認知症へ貢献していきたい」と挨拶し、閉会しました。
 休日の午後で長時間の開催にもかかわらず、約50名が最後まで熱心に耳を傾けたほか、アーカイブ登録者は約260名を数えるなど、関心の高さもうかがえ、認知症への理解がより深まる大変有意義なイベントになりました。

パネルディスカッションの様子

閉会の挨拶を述べる田中純子副学長

【お問い合わせ先】

広島大学広報室

TEL: 082-424-6762
E-mail:koho*office.hiroshima-u.ac.jp(*は半角@に置き換えてください)


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