防災・減災研究センター
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ワークショップStep1 「防災マップの機能向上の事例紹介」の様子
広島大学防災・減災研究センターは、東広島市、東広島市防災士ネットワークの後援により、令和5年12月16日にオープンディスカッション2023 『住民の避難行動促進のための災害リスク・コミュニケーション』を開催しました。会場の東広島キャンパス 東図書館 ワークショップエリアには、防災関係者、地域団体、自治体職員、学生、企業の方など40人が集まりました。
はじめに、広島大学防災・減災研究センター海堀正博センター長より、今回のオープンディスカッション2023の開催趣旨について、9人の防災シニア・フェロー・協力者を講師※1として、各地域において防災活動や防災教育を担われている方などを対象に、地域住民の防災意識を高め、災害時の適切な避難行動につなげるための参加・体験型ワークショップを開催する旨のあいさつがありました。
ワークショップStep1では、西日本豪雨災害を経験した高屋東小学校区においてDIG(Disaster Imagination Game、災害図上訓練)の手法により作成した防災マップの事例、および360度カメラを用いたよりリアルに災害リスクを表示する方法や利用方法の音声解説といった機能向上の事例、さらには、災害発生時の避難行動における留意事項などStep2につながる視点について講師が紹介しました。
ワークショップStep2では、地域住民の避難行動につなげるための「防災ゲーム」を行いました。参加者は8班に分かれ、災害対応時のジレンマなどに関する設問(二項目選択型、全部で6問)のどちらかを選び、その理由を考え、班全員で協議しました。各班担当の8人の講師によるファシリテートで活発な意見交換が行われ、設問が進むにつれて議論の声も大きくなり、会場の熱気が高まるなど、災害発生時の対応や日常的な防災の取組などについて参加者全員で考える機会となりました。
ワークショップSte2 「防災ゲーム」の意見交換の様子
ワークショップStep3では、班代表8人が論点や意見の紹介などグループワークの内容を発表するとともに、講師の防災シニア・フェロー、協力者が専門的な立場から各班の意見交換や防災対策、地域防災活動等についてコメント、アドバイスを行うなど、災害リスク・コミュニケーションのあり方、地域防災活動における課題や解決策、防災リーダーの役割などについて参加者全員で共有しました。
ワークショップSte3 班代表者による発表
ワーククショップStep3 防災シニア・フェローの助言
まとめ センター 河原学術顧問
最後に、防災・減災研究センターの河原能久学術顧問より、「温暖化の予想以上の急速な進行により、豪雨災害、広域水害などが頻発化するおそれがある。このため、参加の皆様方には、住民の避難行動促進に向けて、地域の底力の強化、避難訓練の充実などにこれまで以上にご尽力いただきたい。防災・減災研究センターとしても地域防災力の向上に取り組む。」とのまとめがありました。
参加者からは、「多様な参加者で議論することで理解が深まった」、「いろいろな実例や考え方を知ることができて参考になった」、「地域防災力の向上を向させるには地域住民の普段からの備えが重要で、コミュニティの強化や継続的な防災学習が必要だと思った」などの感想が寄せられました。
防災・減災研究センターとしては、引き続き、こうしたワークショップの開催などにより、地域防災を担われる方が各地域において防災学習、避難行動を促進する活動をサポートしていきます。
※1 オープンディスカッション2023の講師
<広島大学 防災・減災研究センター 防災シニア・フェロー>
広島大学 名誉教授 河原能久
広島大学 名誉教授 山本春行
公益社団法人日本技術士会 中国本部本部長 福田直三
中電技術コンサルタント株式会社 代表取締役常務 金本 満
復建調査設計株式会社 河川砂防部 木村雄二
株式会社東京建設コンサルタント 中国支社長 宮田英樹
基礎地盤コンサルタンツ株式会社 中国支社 理事 溝山 勇
<協力者>
広島大学大学院人間社会科学研究科 教育研究補助職員 猪股雅美
比治山大学現代文化学部 マスコミュニケーション学科助教 山口梨江