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毎日新聞 元村有希子論説委員による講演会を開催しました

  2024年2月6日、毎日新聞 元村有希子論説委員による講演会を広島大学東広島キャンパスで開催しました。

 本講演会は、学長・理事・上席副学長・副学長・部局長等の教育研究評議会評議員などが参加し、教育研究評議会のオブザーバーはオンラインで視聴しました。

 元村さんは、毎日新聞に1989年入社され、2019年から新聞社において社説などを執筆する役職である論説委員に就かれています。

 会場となった本学法人本部棟会議室では、田中理事の紹介のもとで、元村さんは「不確実な時代とこれからの大学」と題して講演しました。
 元村さんは、自らのキャリアについて「新聞社では、多くの新人記者が地方で世間を知っていき、様々なことを学んでいく。私も地方で学んだ後、35歳で科学部に配属された。科学という専門を希望した訳ではなかったが、取材を通じて教科書に載っている形とは違う、人間味のある科学の形を実感してきた。記者は、名刺一枚あれば取材にいける。大学では、心理学を学びカウンセラーとなると考えていたが、今は記者が天職だったのかもしれない」と話しました。また、科学記者の目から見た「人類の課題、今後10年の地球規模のリスク、複雑化する社会」などを紹介し、大学の問題点として「大学教員の研究時間が減っていること、40歳未満の若手研究者が激減していること」などを指摘し、これまでの社会とこれからの社会では、考え方を変えていく必要があると訴えました。また、広島大学には「唯一無二の存在になってほしい」と激励しました。

 参加者は、元村さんの話に熱心に聞き入り、活発な質疑応答が行われました。
「広島大学は頑張っているが、東京からは見えない。18歳人口が減っているが、東京圏・近畿圏の大学は影響が少ない。地方大学が、本当にしっかりしているところを見て欲しいがどうすればよいか」という質問に対して、元村さんは、「私の経歴でも述べたが、若い記者が地方で学んでいるという部分がある。コミュニケーションを高めて、地域の記者・メディアを育てて欲しい。それが地方の発信につながる」と回答。また、別の質問「多様性が大事だと、多様性の評価が必要となる。無意識の偏ったモノの見方や思い込み(アンコンシャス・バイアス、unconscious bias)に、どう対応していけばよいか」には、元村さんは「これは本人が自覚できないことが問題。バイアスを可視化することで、本人にも周囲の人にも認識させている会社もある」と例を紹介。その他にも多くの質問が出ました。

 今年、創立75周年、その前史である75年も加えると、150年の節目の年を迎えた本学にとって、新たな75年と更にその先の150年の歴史を積み重ねていくための道しるべを得たようなとても貴重な機会となりました。

講演会を進行する田中理事

講演する元村論説委員

質疑応答の様子

越智学長より感謝状・記念品の贈呈

 

 また講演会に先⽴って、ナノデバイス研究所を⾒学されました。副所⻑の⿊⽊教授による、施設紹介や半導体、マイクロン社などとの連携についての説明に興味深く聞き⼊っておられました。

黒木教授(写真右)と

ナノデバイス研究所 Jイノベ棟 電波暗室にて

【お問い合わせ先】

広島大学広報室
E-mail: koho*office.hiroshima-u.ac.jp (*は半角@に置き換えてください)


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