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広島大学×全農ひろしま 共同研究の取組み~鶏ふん堆肥を使用した持続可能な米作りに向けて~

 広島大学とJA全農ひろしまは、鶏ふん堆肥を使用した持続可能な米作りに向けた研究を、令和4年度より実施しています。5月16日、今年度で最終年となる共同研究の実施に際して、三原市高坂町にある全農チャレンジファーム広島・三原農場にて、広島大学大学院統合生命科学研究科の長岡 俊徳准教授とJA全農ひろしま 営農資材部 豊田 勝司部長が出席し、記者説明会ならびに現地見学会を実施しました。
 畜産たい肥活用の技術向上は、持続可能な農業の実現、ひいては地球温暖化の抑制に向けた重要な課題です。また、円安や昨今の世界情勢を背景に、原料の大部分をロシアや中国など諸外国からの輸入に依存する化学肥料原料価格の高騰が、農家経営を圧迫していることからも、国内の資源を有効活用する必要性が急激に高まっています。
 これらの現状、課題を踏まえ、過去2年間の共同研究では、(1)鶏ふんたい肥の施肥量の違いによる生育や収量の検証、(2)鶏ふんたい肥の施肥量の違いによる栄養価や食味値などの比較、(3)メタン発生量抑制のために中干し期間を延長した場合の生育や収量の調査を行いました。2年間の研究結果では、鶏ふん堆肥の施肥量は10aあたり600~800キロが収量・品質ともに安定した数値となりました。また、中干し期間の延長時期が梅雨時期に重なる場合は収量や品質への影響は小さいと考えられました。今年度は新たに、(4)畜産たい肥の施用と中干し期間の延長が、水田からのメタン発生量に与える影響も研究項目に追加し、水稲栽培の持続可能な農業の確立を目指します。
 

定植(田植え)作業の様子

■長岡 准教授コメント:これまでの研究結果から、水稲栽培において化学肥料の代替として鶏ふん堆肥を利用する道筋が開けてきた。生物資源の循環をベースとした耕畜連携を促進して、持続可能な米作りさらには食料生産に貢献できるものと期待している。さらに、気候変動に関わる温室効果ガス削減にも配慮したこれからの環境保全型農業を目指していきたい。

■豊田 部長コメント:畜産たい肥活用の技術向上は、持続可能な農業実現や地球温暖化の抑制に向けた重要な課題となる。将来的には、畜産たい肥を利用することによる環境への影響についても研究を進め、持続可能な農業生産の拡大に資する取り組みに繋げていければと考える。
 
 
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(左:JA全農ひろしま 営農資材部 豊田 勝司部長 右:大学院統合生命科学研究科 長岡 俊徳准教授)

長岡 准教授による会見の様子

【お問い合わせ先】

広島大学 広報室
koho*office.hiroshima-u.ac.jp (*は半角@に置き換えてください)


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