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[研究成果]自閉症モデルマウスで発達期のセロトニン異常を発見!



広島大学大学院医歯薬学総合研究科の内匠(たくみ)透教授らは、自閉症ヒト型モデルマウスを使った研究で、発達期にセロトニン異常が生じていることを発見しました。

自閉症に見られる社会性の行動異常は、臨床のデータなどからセロトニンとの相関関係があると知られていましたが、原因はほとんど分かっておらず、診断や治療法の開発のために、その病態解明が望まれていました。内匠教授らはこれまでに、染色体工学の手法を用いて、ヒト15番目の染色体の一部に相当する領域が重複した、ヒト染色体15q11-q13重複モデルマウスの作製に成功しています。このマウスは、社会性の行動異常をはじめとする自閉症行動を示すだけでなく、自閉症の原因である染色体異常をヒトと同じように持つ世界初の自閉症ヒト型モデルマウスです。

本研究グループは今回、この自閉症ヒト型モデルマウスで脳内の異常を詳しく調べたところ、発達期において脳内のセロトニン濃度が減少していることを発見しました。また、神経細胞におけるセロトニンシグナルの異常もあることから、発達期におけるセロトニンの異常が社会性行動異常の原因となる可能性を明らかにしました。

この研究成果は今後、自閉症に対するセロトニン系を中心とした治療法の開発につながるものと期待されます。

【研究に関するお問い合わせ先】

広島大学大学院医歯薬学総合研究科

教授 内匠 透

TEL:082-257-5115 FAX:082-257-5119


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