広島大学大学院先進理工系科学研究科 熱工学研究室内
中国地域バイオマス利用研究会
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日時:2024年11月8日
プログラム
解説 広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授 松村 幸彦
講演 広島大学 スマートソサイエティ実践科学研究院 M2 賀 梓豪
「下水汚泥の超臨界水ガス化におけるリン回収システム」
超臨界水ガス化は、汚泥を脱水処理なしで直接高付加価値ガスに変換でき、大幅なエネルギーの節約が可能です。世界は地球温暖化や化石燃料資源の枯渇という重大な課題に直面しており、日常排水に含まれるリンの約90%が汚泥に濃縮されています。リンは大量の採掘と使用により短期間では再生不能な資源であり、その希少性は世界的な問題となっています。リンは産業と農業の両面で重要な役割を果たしており、リン鉱石の質と供給量の減少、および価格の上昇により、持続可能な農業を支えるためのリン肥料の代替資源の探索が急務となっています。本研究では、超臨界水ガス化を用いてバイオマスからリンを回収するシステムの可能性を検討しました。リンが超臨界水中で固体粒子として沈殿することを考慮し、回収システムを開発し、実験を行いました。
講演 立命館大学 OIC総合研究機構日本バイオ炭研究センター
センター長・客員教授 柴田 晃(博士:政策科学)
日本クルベジ協会 代表理事
日本炭化学会 事務局長
「バイオ炭を使った二酸化炭素除去(CO2 Removal)と農村地域開発」
近年、二酸化炭素削減活動においてCCS(Carbon Capture and storage もしくは Sequestration)がCDR(Carbon Dioxide Removal)として注視されています。これは化石燃料消費の削減だけでは、2050年のゼロカーボンエミッションは実現不可能であり二酸化炭素除去が必須であるからです。このCCSの一つの方法論として、バイオ炭によるCDRが世界的に脚光を浴びています。これは大きな設備投資を伴わず誰でも比較的簡単に行え、農業生産性にも寄与できる手法であり、この手法の社会実装を踏まえた意義とアプローチ等を説明します。
司会 広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授 松村 幸彦