広島大学病院運営支援部総務グループ
E-mail:byo-soumu-gl(AT)office.hiroshima-u.ac.jp
※(AT)は半角@に置き換えてください。
広島県がJR広島駅北側に2030年度の開院を予定している1000床規模の高度医療・人材育成拠点(新病院)の整備に向け、広島大学は7月7日、広島県と協定を締結しました。地域の医療提供体制の維持・発展と医療水準の向上が目的です。広島大学は、世界トップ水準の医療構築を目指し、広島県唯一の医育機関としての役割をしっかりと果たしてまいります。
協定締結式は広島県庁で行われ、湯﨑英彦知事が「新病院に、全国有数の医療教育機関で、研究もけん引しておられる広島大学の協力は不可欠。全国トップレベルの医療拠点として、県民の期待に応えたい」とあいさつ。越智光夫学長は「広島大学は新病院とともに、世界の医療の発展に貢献する覚悟です。連携を緊密にしながら、広島県民のために全力を尽くしてまいります」とあいさつし、それぞれ協定書に署名しました。
協定は4条からなり、第2条で広島大学と広島県が協働して取り組む事項として、(1)地域のニーズに即した最高水準の医療を提供(2)質の高い医療人材の育成のための環境の整備(3)高い水準の医療を提供するための臨床研究の充実(4)地域のニーズに即した医療提供体制の維持・確保-の四つを掲げています。広島大学と新病院の協働により、高度医療の実践、臨床研究、医師派遣、救急体制など地域医療を支える力を強くしていきます。
協働を後押しする評価が本学に相次いでいます。昨年、文部科学省の「高度医療人材養成拠点形成事業-タイプA」に中国四国地域の大学で唯一採択されました。医学生や医学系大学院生が、大学病院で臨床の実習や研究に参画できる仕組みを整え、臨床教育・研究の分野の知識や技能に優れた医師の養成に取り組む内容です。中国四国地方におけるトップレベルの研究実績を基盤に、医師のさらなる研究力強化を図ります。
また大学病院は本年5月、厚生労働大臣より臨床研究中核病院として承認されました。革新的な医薬品や医療機器の開発に向け国際水準の臨床研究や医師主導治験を推進し、他の病院や診療所の臨床研究についても質の向上を図る役割を担っていきます。新病院を含む他の病院の症例やいろいろな研究のシーズを集約しやすくなることで、さらに進んだ研究や人材の獲得が期待されます。
本学霞キャンパスでは2026年度に、平時はバイオ医薬品、パンデミックなど緊急時にはワクチンを製造する「ワクチン・医薬品製造拠点」が稼働し、2027年1月には放射線影響研究所が移転する予定です。研究設備、研究機関との連携を通じた医学研究により、研究成果を新しい医薬品・医療機器の社会実装につなげます。広島大学は新病院とともに、広島の地から世界の医療の発展に貢献してまいりたいと考えております。

協定書に署名する越智学長(右)と湯﨑知事

協定書を囲む、右から安達伸生・広島大学病院長、越智学長、湯﨑知事、北原加奈子・広島県健康福祉局長