広島大学広報室
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広島大学特別栄誉教授で2012年ノーベル生理学・医学賞を受賞されたジョン・ガードン博士(ケンブリッジ大学 ガードン研究所)がこのほどご逝去されました。悲報に接し、広島大学を代表して心より哀悼の意を表します。
ガードン博士は、世界四大両生類研究所のひとつ、カエルの研究をはじめ、収集・保存・提供で知られる本学の両生類研究センターと深いご縁がありました。博士がまだ若く無名であったころ、動物学で知られた第3代学長・川村智治郎先生を深く尊敬しておられたことから、アメリカ留学からの帰国途中に広島へ立ち寄り、川村先生と数日間をともに過ごされました。
その後クローンカエルの作製に成功されましたが、この成功が同じくノーベル生理学・医学賞を受賞された山中伸弥博士(京都大学 iPS細胞研究所)のiPS細胞の作製につながったと言われています。
本学では、このようなご縁から、2016年3月7日にガードン博士と山中博士をお招きし、記念すべき第一回目となる「知のフォーラム」を開催しました。講演会には、高校生・市民・大学関係者ら約1200人が参加しました。博士はアフリカツメガエルを使った核移植の研究をご紹介されるとともに、倫理・法制度を含む細胞治療の課題にも触れながら、未来への研究ビジョンを熱心に語られました。
博士は、体細胞核移植の先駆者として、クローン研究の礎を築かれ、再生医療・幹細胞研究の基礎を切り拓く偉大な業績を上げられました。謹んで博士のご冥福をお祈り申し上げますとともに、その偉大な功績を永く記憶にとどめたいと思います。
令和7年10月9日
広島大学長 越智 光夫
2016年開催 第1回「知のフォーラム」講演会の様子
1962年 若きガードン博士の仙酔島(鞆の浦)での姿

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