車両走行実験の様子※1
平成25年9月12日(木)、広島大学大学院工学研究院の有尾一郎助教らは、緊急仮橋(モバイルブリッジ)の公開実験を静岡県富士市で実施しました。
「モバイルブリッジ」は、迅速な災害復旧を実現するため、一般社団法人日本建設機械施工協会施工技術総合研究所、星軽金属工業株式会社、株式会社アカシン、三協立山株式会社三協マテリアル社と産学共同開発されたもので、災害現場を想定した、油圧システムを装備した実験橋です。
従来の橋とは異なり、主要な構造部材をX形で連鎖させた構造とすることにより、橋の伸縮機能と強度を確保した新しいタイプの橋です。橋としては世界初(最大・最速・最強)の構造体で、橋と走行路が連動して展開します。全長は約20メートルで、車両の通行が可能です。
2013年4月には、福山市でモバイルブリッジの伸長展開の公開実験を実施しましたが、今回は、車両が橋を走行する場面を報道陣や国・地方自治体等の担当者に公開し、参加者の方々にも実際に走行体験をしていただきました。
今後は、更に改良を重ね、実用化に向けて開発を進めていきます。
![]() モバイルブリッジの構造について説明する有尾助教 |
![]() 展開中のモバイルブリッジ |
※1
公開時の実験では車両3台(3.4t[使用限界車両荷重は推定12t])を積載しましたが、運用上は橋上に積載する車を1台に規制し、安全に渡ってもらうことを想定しています。この初の橋構造はフレキシブル構造であるため、耐震というよりは、柔軟に地震などの衝撃エネルギーを消散することができます。また、展開後の補強や、床版長さや部材長を変更し幾何学的条件を満たすことができれば高くすることも可能です。
【お問い合わせ先】
(研究内容に関すること)
広島大学大学院工学研究院 助教 有尾一郎
TEL:082-424-7828・7819 Mail:bridge2*hiroshima-u.ac.jp
(記事に関すること)
広島大学学術・社会産学連携室広報グループ
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