国立大学法人広島大学大学院先端物質科学研究科の末國晃一郎 助教、高畠敏郎 教授、独立行政法人産業技術総合研究所エネルギー技術研究部門熱電変換グループの太田道広 主任研究員らの研究チームは、天然硫化銅鉱物の一種コルーサイトと同じ結晶構造の人工鉱物Cu26V2M6S32(M = Ge, Sn)を合成し、400℃付近で高い熱電変換性能を示すことを発見しました。この物質は、低毒性で地殻中の埋蔵量が豊富なCu(銅)、Sn(スズ)、S(硫黄)を主成分としているため、レアメタルレスの熱電変換材料といえます。この新しい熱電人工鉱物の発見は、環境負荷の低い高効率熱電発電の実現に大きく寄与するものと期待されます。
この成果は、10月3日(米国時間)に、米国物理学協会の専門誌「Applied Physics Letters」のオンライン版で公開されました。
【発表論文】
論文題目
High-performance Thermoelectric minerals: Colusites Cu26V2M6S32 (M= Ge, Sn)
掲載雑誌
Applied Physics Letters(米国物理学協会)
【参考】コルーサイト Cu26V2M6S32(M = Ge, Sn)の結晶構造
掲載論文(Applied Physics Lettersのサイトへ)
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広島大学大学院先端物質科学研究科 助教 末國 晃一郎
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