2016年6月から8月にかけて、工学研究科 栗田雄一准教授の研究室において、ハーバード大学工学・応用科学スクール医用生体工学専攻のローウェルさんがインターンシップを行いました。
栗田准教授は、体の仕組みをコンピューターで再現することで、人間の感覚や生理反応を見える形に置き換え、それを工学の技術に生かすヒューマンモデリングを研究し、不要な筋肉の活動を抑え負担を軽くすることにより、少ない力で腕を動かせるスーツなどを開発しています。
ローウェルさんのテーマは、手の動きをサポートする手袋に、手首の周りにつけたセンサーで手首のわずかな動きを感知し、手を曲げたり伸ばしたり回転したりする動きをアシストする機能を追加することでした。
ハーバード大学のサイトによると、本学での経験について、ローウェルさんは「アメリカ以外の国の学生と研究したことで、まったく新しい”エンジニアリングデザインへのアプローチ”の世界に触れることができました。」と話されています。
指導を行った栗田先生は、「キャシーは非常に社交的で、研究室メンバーとも積極的に交流してくれました。日本の文化への興味が強く、研究室の学生と覚えたての日本語おりまぜながら話をしているのがとてもほほえましたかったです。彼女は技術力も高く、短期間ながら研究室メンバーと協力してすばらしい成果を出してくれて、わずか2ヶ月の成果ながら国際会議に投稿してアクセプトへつながりました。お互いにとってすばらしい体験だったと思います。」と語っています。
左から、キャシー・ローウェルさんと栗田雄一准教授
ローウェルさんが栗田研究室の院生ダスさんとともに行ったインターンシップの様子は、ハーバード大学のサイトで紹介いただきました。
(ハーバード大学に掲載された記事の概要)
ローウェルさんのテーマは、手の動きをサポートする手袋に、手首の周りにつけたセンサーで手首のわずかな動きを感知し、手を曲げたり伸ばしたり回転したりする動きをアシストする機能を追加することでした。
ローウェルさんは、インターンシップでの経験について、「今回開発した手袋は多種多様な応用ができると思います。関節炎や手根管症候群の患者さんにも役立つでしょう。米国と同じく、高齢者が多い日本では、運動能力に制限がある方が多いと思います。その方たちの手助けができると思います」と評価しています。
インターンシップ初日に研究室で靴を脱ぐようにいわれ、とても驚いたと振り返るローウェルさん。言葉もままならないため日本での研究活動に「最初は不安があった」と語りますがインターンシップが進むにつれ、栗田先生の研究室の研究者はハーバード大学の研究者と共通点が多いことが分かったそうです。
研究経験のほかに、「チームワークやコミュニティを重んじる異文化環境の中でエンジニアリングについて考えることができてよかった」とローウェルさん。「アメリカ以外の国の学生と研究したことで、まったく新しい”エンジニアリングデザインへのアプローチ”の世界に触れることができました。今後も偏見にとらわれない広い心(オープンマインディッド)でいようと思います。」と話してくれました。
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