平成25年(年頭挨拶)

年頭挨拶 2013.1.4

平成25年1月4日

年頭挨拶
「学生が成長する大学、国際社会で存在感のある大学を目指して」2013

広島大学長 浅原 利正

新年あけましておめでとうございます。

人類社会のグローバル化は加速度を増し、EUの金融不安、迷走する中東の民主化、エネルギー問題、北朝鮮のミサイル発射などの多くの課題を抱えています。我が国においても、東日本大震災からの復興という最重要課題を始め、グローバル化への対応、企業の国際競争力強化、急速に進む高齢化社会とそれに伴う社会保障制度の整備、将来に向けてのエネルギー計画策定など、いくつもの緊急課題や将来に向けての課題を抱えています。人類社会は益々多様性、複雑性を増しており、この様な課題のいくつかは人類社会が次のステップへ向けての産みの苦しみであると受け止めたいと思います。

かかる不安定な社会環境の中で、本学は持続可能な未来社会構築のために重要な役割を果たすため、昨年「広島大学の機能強化へ向けた行動計画2012」としてまとめました。この機能強化に向けての取り組みを具体的に計画し、確実に実施することで、本学の責任を果たしていきたいと思います。

その中でも最重要課題は人材育成です。高いレベルの研究を通じて、志の高い、倫理観に満ちた人材の育成に全力をあげて取り組まなければなりません。同時に人類社会の環境変化を理解し、受け入れることのできるグローバルな人材の育成を目指します。

高齢化社会の進展につれ、医療人育成を通じて地域医療を支えてきた大学病院の役割は益々重要になってきています。本年9月に開院する新診療棟を活用し、地域の中核病院としての役割を果たすのみならず、アジアのメディカルセンターとして機能するべく発展させなくてはなりません。

国立大学の重要な役割の一つは、地域社会との連携です。今後は、地元企業や自治体との連携を一層深めるとともに、本学の教育・研究内容を、これまで以上に社会にわかり易い形で発信するために、広報室を通じて学内情報発信の一元化を図ります。

広島大学を取り巻く急速な社会環境変化に迅速に対応するためには、全学を俯瞰的立場で見ている職員の能力向上が不可欠です。本学の職員力は既に外部から高い評価を得ていますが、この一年間は集中して新しい視点で職員力の強化に取り組みます。職員の更なる能力向上の結果、学生がより修学に専念でき、教員がより教育・研究に専念できるようになり、教育力・研究力の向上に繋がると期待しています。

今、人類社会はグローバル化の進展とともに流動性が増し、克服するべき課題も多く抱えて、不安定な状況にあります。その中で、私たち一人ひとりが社会に対してどのような貢献ができるかを考えなくてはなりません。本学においても構成員一人ひとりが、今、広島大学に対して何ができるかを考えることが、本学の発展に繋がると信じています。

新しい年に臨み、教職員一体となって「学生が成長する大学、国際社会で存在感のある大学」を目指して、取り組みを進めたいと思います。本年もよろしくご理解とご支援をいただきますようお願い申し上げます。

2013年、新しい年が皆さんにとり良い年になりますよう心から願っています。


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