国際リンパ浮腫治療センターについて

世界初のリンパ浮腫診療研究機関

当「国際リンパ浮腫治療センター」はリンパ浮腫治療に特化した大学診療センターとして世界に先駆け前東京大学形成外科 教授 光嶋勲を特任教授として迎え、2017年4月に開設されました。
かつてリンパ浮腫は進行性で特に治療法のない不治の病として治療法の研究確立は著しく遅れていました。
しかし、当センターの光嶋がリンパ管静脈吻合を治療法として導入。以来、機器・技術の開発、後身の育成、世界への発信、臨床基礎研究の発展を経て、次第にその情熱は世界中を動かし、現在リンパ浮腫は治癒可能あるいは進行・発症予防可能な疾患として次第に認識されつつあります。

海外からもスーパーマイクロの技術、リンパ管静脈吻合を学びたいと常時多くの外科医あるいは学生が訪れています。

当センターはこの世界的ムーブメントの中心に位置し、世界をリードする使命を帯びて越智学長の情熱の下、設立されました。

確かな信頼と実績

リンパ浮腫は進行性とされ、その治療も保存的(マッサージ、圧迫)療法と外科的治療法(組織切除、直接的または間接的リンパ誘導術 )などが行われてきましたが、長期間にわたる浮腫増悪の予防や著明な改善は困難とされてきました。
しかし、1990年ごろから0.3~0.8mmの超微小神経血管吻合術(super microsurgery超微小外科)が可能となり、手術器具や診断機器の新規開発・改良が進み、現在、より少ない侵襲で、より正確な新しいリンパ管吻合がなされています。このリンパ管と静脈をつなぐリンパ管静脈吻合(lymphaticovellular anastomosis :LVA)を1990年以来、約2,000例(上肢リンパ浮腫300例、下肢1,700例)以上積み重ねてきました。その結果、軽症例では浮腫の改善や完治が得られ、重症例の治療も機能的リンパ管(リンパ節)移植法を含めた合併外科治療法が確立されつつあります。
また、2007年以後、ICG蛍光造影法で非顕性(潜在性)浮腫の診断が可能となり骨盤内リンパ襄胞などを含めた浮腫早期例や放射線照射群の浮腫予防も可能となってきています。また、新生児乳び胸腹水や小児の一次性下肢リンパ浮腫も含めた致死性リンパ浮腫が新しい概念として提唱され、早期LVAの有効性を確認しています。

広島から世界へ

リンパ浮腫治療は日本が臨床及び研究共に世界を圧倒的にリードしており、2000年前頃から海外の微小外科ライブ手術講習会で浮腫発生のメカニズムやLVA、リンパ管移植(lymphduct transfer)などのリンパ外科術式を紹介し続けています。 その結果、これまでに国際リンパ学会、最近では外科治療を世界に啓蒙するため国際リンパ外科治療学会が設立されました。このように日本から発信したリンパ浮腫の外科的治療が世界の大きな流れとなってきています。これからは広島がこのムーブメントの中心になっていきます。

ニューヨーク州立大学でのライブサージャリーの一コマ

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スタンフォード大学でのレクチャー

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台湾で行なわれたライブサージャリー&シンポジウム

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世界中のリンパ浮腫治療の外科療法を目指す仲間と


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