代表的な疾患について

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりする状態を繰り返す病気です。細かい覚醒が何度も起こるため睡眠が浅くなり、深い睡眠を得ることができません。このため、起床時に熟睡した感じがなかったり、疲れが取れていない感じがしたりします。

代表的な症状としては、大きないびき・日中の眠気・起床時の頭痛・夜間頻尿などです。

高血圧や糖尿病などの生活習慣病や、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす原因と言われています。

また、日中の強い眠気により交通事故の原因となることもあります。

家族からいびきを指摘される、運転中に眠くなることが多いなどの症状がある場合は注意が必要です。

過眠症(ナルコレプシー、特発性過眠症)

十分な睡眠時間を確保しているにも関わらず、日中に強い眠気が生じ、突然居眠りをしてしまう病気です。大事な会議や試験中、歩きながらなど、通常では考え難い状況でも居眠りをしてしまいます。

ナルコレプシーでは、喜んだ時や笑った時に体の力が抜ける発作(情動脱力発作)が生じたり、寝入りばなに悪夢を見る、金縛りにあうなどの症状が特徴的です。

日本人では600人に1人はいるとされており、世界の中でも高頻度に認められています。オレキシンの低値や欠乏が原因とされています。

概日リズム睡眠・覚醒障害

睡眠と覚醒のサイクル(体内時計)と、社会生活を送るサイクルに時間のずれが生じ、仕事や学校生活に支障をきたす状態です。

極端に寝るのが遅く、朝早く起きることができない睡眠・覚醒相後退障害や、夕方から眠くなり、深夜から早朝にかけて覚醒する睡眠・覚醒相前進障害などがあります。

睡眠・覚醒相後退障害は、特に学生に多く不登校の原因になることがあります。

レム睡眠行動障害

睡眠段階はレム睡眠とノンレム睡眠に分けることができ、夢を見ているといわれる睡眠はレム睡眠です。

レム睡眠中に夢で見ている内容を行動に移し、手足を動かして暴れたり、大声で寝言を叫んだりします。

レム睡眠行動障害は中年期から老年期にかけてみられる睡眠中の異常行動で、レビー小体型認知症やパーキンソン病、多系統萎縮症などで高頻度に見られ、これらの疾患に先立ってレム睡眠行動障害が認められることがあります。

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)

夕方から夜間にかけて、脚を中心に不快感が増加し入眠を妨げる病気です。

不快感の表現は、虫がはうような感覚、脚がだるい、ほてる、痛いなど様々です。

むずむず脚症候群の患者さんには、睡眠中に周期的に脚が動く「周期性四肢運動障害」を合併していることが多く、夜間の脚運動により何度も覚醒を繰り返すため、日中の眠気を伴います。

不眠症

眠ろうとして床に就くがなかなか寝付けない(入眠障害)、夜中に何度も目が覚めてしまう(中途覚醒)、早朝に目が覚める(早朝覚醒)、眠りが浅いため熟眠感が得られない(塾眠障害)などの症状があります。

不眠の原因は様々ですが、このような症状が一か月以上継続し、日常生活に影響が出る場合に不眠症と診断されます。

問い合わせ先

広島大学病院睡眠医療センター

TEL:082-257-5479


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