【ポイント】
● 次世代型LEDである無機・有機ハイブリッドLED、薄型(厚さ0.5mm程)
● 主な製法は、常温・大気圧下での溶液の塗布
● 発光強度は先行研究の350倍、発光面積は一般的なLED素子の40倍
【概要】
広島大学自然科学研究支援開発センターの齋藤健一(さいとうけんいち)教授、理学研究科の辛韵子(しんいんし)大学院生らの研究グループは、ナノシリコン(シリコン量子ドット)を発光体とする青白色LEDの開発に、世界で初めて成功しました。
これまでのシリコン量子ドットを発光体とするLEDの研究では、赤色、赤外線の報告はありましたが、白色系、青色系は本研究が世界初となります。
シリコンは電子デバイスの基幹材料ですが、原料は砂・石です。従って、シリコンを発光体に用いると原料は無尽蔵でかつ環境に優しく、またレアアースフリーの発光体になります。製造法は簡便で、シリコン量子ドット溶液、高分子溶液を基板に塗布・乾燥する手法です。今後、次世代LEDとして照明、フレキシブルディスプレーなどへの応用も期待できます。
なおこの研究は、研究プロジェクト、内閣府 最先端・次世代研究開発支援プログラム(グリーンイノベーション)における「低コストで簡便なナノSi白色発光デバイスと高効率ナノSi太陽電池製作法の確立」による成果になります。
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Si量子ドットハイブリッドLEDの写真と模式図 | Si量子ドット溶液の写真(左:光照射前,右:光照射中) |
"Reproduced with permission from [White-blue electroluminescence from a Si quantum dot hybrid light-emitting diode, Appl. Phys. Lett. 106, 201102 (2015)]. Copyright [2015], AIP Publishing LLC.” |
【掲載雑誌名、論文名および著者名】
Applied Physics Letters、
White-blue electroluminescence from a Si quantum dot hybrid Light-emitting diode(Si量子ドットハイブリッド発光ダイオード(LED)からの青白色の電界発光)、
Yunzi Xin、 Kazuyuki Nishio、 and Ken-ichi Saitow.
【お問い合わせ先】
広島大学自然科学研究支援開発センター
教授 齋藤 健一
TEL:082-424-7487
E-mail:saitow*hiroshima-u.ac.jp(*は半角@に変換して送信してください)