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【研究成果】すばる望遠鏡で銀河から吹き出す激しい風をとらえる!-銀河風の構造に刻まれた銀河合体とスターバーストの歴史-



広島大学、国立天文台、台湾中央研究院、法政大学からなる研究チームは、すばる望遠鏡主焦点カメラ Suprime-Camでの観測によって、スターバーストを起こしている銀河NGC6240から吹き出す大量の電離ガスの詳細構造をとらえることに成功しました(図1)。この電離ガスは差渡し30万光年にも及んでおり、スターバーストによって生成された銀河風(スーパーウィンド)によって銀河から外に吹き飛ばされています。すばる望遠鏡の集光力と高解像度によって、近傍宇宙では最大規模の銀河風の複雑な構造が明らかになりました。

平成28年1月28日、本件について、広島大学東広島キャンパスにおいて記者説明会を行いました。


説明を行う広島大学宇宙科学センターの吉田教授

【本研究成果のポイント】
・すばる望遠鏡主焦点カメラを使って、合体中の銀河NGC6240から吹き出す大量の電離ガスの詳細構造をとらえることに成功
・銀河NGC6240に、銀河風がガスを吹き飛ばした形跡-巨大な「破れた泡構造」-があることを発見
・今後、銀河合体とスターバーストが銀河進化に与える影響の解明に期待

本研究成果は、アメリカ天文学会の天体物理学誌『アストロフィジカル・ジャーナル』に掲載予定です。また、この研究成果は、日本学術振興会の科学研究費補助金23244030、15H02069、文部科学省科学研究費補助金24103003のサポートを受けています。

【発表論文】
・論文タイトル:Giant H-alpha Nebula Surrounding the Starburst Merger NGC 6240
・著 者:吉田道利(広島大学)、八木雅文(国立天文台/法政大学)、大山陽一(台湾中央研究院天文及天文物理研究所)、小宮山裕(国立天文台/総合研究大学院大学)、柏川伸成(国立天文台/総合研究大学院大学)、田中久志(広島大学)、岡村定矩(法政大学)
・掲載雑誌:『アストロフィジカル・ジャーナル』(※プレプリントはこちらをご覧ください。)

 


図1:すばる主焦点カメラで得られたNGC6240の擬似カラー画像。青、緑、赤にそれぞれBバンド画像、Rバンド画像、Hα輝線(電離水素が放つ光)画像を割り当てて合成。銀河から吹き出す巨大な電離ガスが赤く見えている。(クレジット:広島大学/国立天文台)

 

【お問い合わせ先】
広島大学宇宙科学センター センター長・教授 吉田 道利(よしだ みちとし)
E-mail:yoshidam@hiroshima-u.ac.jp (注:@は半角@に置き換えてください)

広島大学学術・社会産学連携室広報グループ
TEL:082-424-3701
E-mail:koho@office.hiroshima-u.ac.jp (注:@は半角@に置き換えてください)


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