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【研究成果】平成30年7月豪雨による斜面崩壊発生の地域差は、雨の強度が主な原因であることを解明

平成30年7月豪雨によって西日本の広い範囲で多数の斜面崩壊が発生しました。

防災・減災センターの後藤秀昭 准教授(文学研究科)と熊原康博 准教授(教育学研究科)の研究室では、広島県南部周辺を対象に、豪雨直後に撮影された空中写真を判読して、崩壊の発生場所を記した地図を作成しました。

斜面崩壊は広島県江田島市から岡山県笠岡市まで広がっており、開始地点は8,497箇所あることが確認できました。そのうち、土石流の多くは山地の頂上の近くから発生していました。また、斜面崩壊の密度が高い場所は、24時間の降水量が250mmを越える地域と一致していました。

これらから、斜面崩壊の発生は山地の地質に関係なく、雨の強度が関係していたと考えられます。

本研究チームのメンバーである文学研究科博士課程前期の竹内峻さんは、「東広島市で豪雨を体験し、土砂災害を身近に感じました。災害直後、学部を越えて地図作成の作業を行い、復旧に少しでも貢献できたように感じ、うれしく思っていました。論文執筆は身近な事象を深く考える貴重な機会となりました。防災を担う一人になれるよう、さらに勉学に励みたいと思います。」と話しています。

データ処理に励む学生達

この研究成果は、Journal of Disaster Researchの西日本豪雨特集号に掲載されました。

研究題目:Distribution and Characteristics of Slope Movements in the Southern Part of Hiroshima Prefecture Caused by the Heavy Rain in Western Japan in July 2018    

著者:Hideaki Goto, Yasuhiro Kumahara, Shoichiro Uchiyama, Yoshiya Iwasa, Tomoru Yamanaka, Rinako Motoyoshi, Shun Takeuchi, Sho Murata, and Takashi Nakata

掲載巻・号:2019, Journal of Disaster Research, 14, pp. 894-902

doi: 10.20965/jdr.2019.p0894

お問い合わせ先

広島大学 大学院文学研究科 准教授
後藤 秀昭
E-mail:hgoto@hiroshima-u.ac.jp


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