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現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響で活動を休止していますが、地域の子供たちなどへ、レゴブロック(以下レゴ)を通じて自分の創造を形にする楽しさを伝えている広大生たちがいます。今回、広島大学レゴサークル「らいごっと」を立ち上げた、工学部4年の原田 創太郎さんに、レゴとの出会いやサークルの立ち上げ、地域での活動にかける思いなどについて、メールでお話を伺いました。
早速ですが、原田さんとレゴとの出会いについて教えてください
幼いころ、JACK STONEシリーズ4615という赤い飛行機の製品を父が東京出張のお土産で買ってきてくれたのがはじまりです。そこからすっかりレゴに夢中になり、誕生日やクリスマスのプレゼントはレゴ以外お願いした記憶がないですね。笑
中学や高校のとき、自分でレゴクラブを立ち上げようと何度か思ったほどです。ただ、顧問の先生を探したり、資金を調達したりと制限もあったので、実現することはできませんでした。
大学に入学し、念願のサークルを立ち上げたわけですね
それまで自宅で1人でレゴをつくっていたのですが、みんなで一緒に遊んだらおもしろそう、大きな作品も創れるんじゃないか、と大学に入学して、ますますそう思うようになりました。また、自分たちが楽しむだけでなく、レゴの魅力を多くの人に伝えたい、地域貢献のために何かしてみたい、とも。
それで、大学2年のときに同じ工学部4類で友人の松本陸人くんとレゴサークルを立ち上げました。たった2人で入学式のビラ配りを始めてから2年、今ではメンバーも19人に増えました。
レゴサークルの仲間
それだけの人数で何か作品をつくるには、レゴもたくさんいるのでしょうね
立ち上げ当初は私が持っていたレゴを使って活動していましたが、全く数が足りず、購入する資金もありませんでした。そこで、Twitterでレゴを寄附してほしいと呼びかけを行ったところ、北は宮城から南は沖縄まで全国各地からレゴが届きました。
広島大学マスコットキャラクターのひろティー
「子供が大きくなり家に眠ったままだから」などという理由で本当にたくさんのレゴを寄附していただき、応援の声も多数寄せられました。レゴブロックはパーツを揃えていくとそれなりの値段になるので、皆さん使わなくなってもなかなか捨てられず大切にとっておられる方も多いようでした。中には、今は手に入らないような古いパーツもあって、発見するたび興奮していましたね。 当時皆さんからいただいたレゴブロックは、現在サークルで保有しているものの半分にあたります。大切にしていたレゴを私たちに託してくださったのですから、新たな作品としてまた息を吹き返してほしいという期待にこたえるべく、皆で大切に使っています。
レゴサークル「らいごっと」さんといえば、東広島のイベントなどでもよくみかけます
サークル立ち上げの際、ただ同じ趣味を持った仲間で集まるだけでは意味がない、レゴの楽しさを広めて社会に貢献したい、という思いから、レゴ教室や展示会をはじめました。これまで、児童館や幼稚園、保育園、子育てサークルや企業やショッピングモールとさまざまな場所で活動してきました。
普段のイベントは主に幼児や小学生の子供たちを対象としたものが多いのですが、昨年は、大学生や年配の方が参加する東広島市のボランティア交流会のファシリテーターを依頼され務めたこともあります。参加者たちが自分や自分の意見をレゴを使って表現してもらう、というレゴ社が提案する「シリアスプレイ」のような手法をとりいれながら会を進め、自分たちにとっても新たな可能性を広げる機会となりました。
ボランティア交流会の様子
また、地元の映画館からの依頼を受け、映画の公開にあわせてレゴブロックでキャラクターをつくって展示するなど、大きな作品を作る機会も増えています。「アナと雪の女王」のオラフや、「スターウォーズ」のダースベーダーなど、皆さんにとても喜んでいただきました。新型コロナウイルスの影響で公開が延期になっていますが、最新作として13人のプリキュアも制作しました。皆さんにお披露目できるのを楽しみにしています。
トトロ
オラフ
プリキュア
イベントや映画館で子供たちが喜ぶ姿が目に浮かびますね
子供たちを対象としたイベントについては、リピーターがつくほど人気で、保護者の方にも好評です。東広島の保護者の方達の間で私たちの活動が口コミで広まり、さまざまな施設やイベントに呼んでいただけるようになりました。
子供たちは純粋で想像性豊かで、私たちが思いつかないようなものを作るので、逆に刺激をもらい学ぶことも多くあります。
原田さんにとって、ずばりレゴの魅力とは
想像力と創造力をダブルで養うことのできる、子供からお年寄りまで楽しめる最高のツールですね。レゴに作れない形はありません。また、私にとっては、言葉や表情以外で自分を表現することのできる方法のひとつです。
レゴは、私自身も大きく成長させてくれました。大学でサークルを立ち上げたことで、ゼロから団体をつくる大変さや、それをマネジメントする難しさを経験し、それらを乗り越えてきたことで、コミュニケーション力がぐっと上がりました。また、常に「地域のために何ができるのか」「次はレゴを使ってどのように社会を貢献しよう」と考えるようになったことも、大きな変化ですね。
現在4年生の原田さん。卒業後はどのような道を歩まれるのでしょう
幼少期からレゴと同じくらい乗り物にも興味があり、特に働く車などをレゴで形にすることが最大の喜びでした。現在、消防車メーカーの内定が決まっており、幼少期からのモノづくりへの関心が未来につながっているな、と実感しています。
就職してからも、レゴでいろいろなもの作っていきたいですね。私が持っていたレゴはすべてサークルに残していく予定なので、また個人的にブロック集めをしようと思っています。卒業するまでも、そして社会に出てからも、レゴを活用した地域貢献活動をしていきたいと思います。
広島大学広報グループ
(2020年5月取材/広報グループK)