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医療を現場で支える献血!若年層の献血者増加を目標に活動しています。

(左から:平良さん、上田さん)

 広島大学霞キャンパスで行われる年2回の学内献血や、大型ショッピングセンターでのイベントなどで、献血を呼びかけ、若者の献血者数増加を目指して活動する広島大学献血推進サークル「Kasumi-bloodonors(カスミブラッドナーズ)」。
 2024年8月1日には、中四国ブロック血液センターの令和6年度広島県献血推進功労者等表彰伝達式で、広島県知事感謝状が授与されました。
 そこで、「Kasumi-bloodonors」部長の上田実穂さん(医学部医学科3年、取材当時)と平良あんりさん(同上)に、サークルの取り組みや献血に対する思いを伺いました。

(取材日:2025/2/12)
 

「Kasumi-bloodonors」に入った理由を教えてください。

上田さん)  高校時代に生徒会に所属し、活動の一環で献血推進活動のボランティアを1、2回したことがあったので、大学でも続けてみようと思い入りました。高校時代の友人から勧められたのも大きな理由の1つです。
 
平良さん)  私は、もともと献血をしたことも、献血推進活動をしたこともありませんでしたが、友人の紹介をきっかけに入部を決めました。

「Kasumi-bloodonors」の活動内容を具体的に教えてください

(1) 学内献血の運営、SNSによる献血推進活動
広島県赤十字血液センターの協力のもと、春季(4月)と冬季(12月)の年2回、献血バスを誘致し、広島大学霞キャンパスの 学内献血を支援しています。学生に献血を協力してもらうため、約1週間前からSNSで周知し、前々日からはキャンパス内で呼びかけます。看板などの作成や、献血の御礼に渡す記念品の内容も考えます。当日は献血活動へ誘導します。

献血推進キャラクター
「けんけつちゃん」と
プラカードで呼びかけ

(2) 血液センター見学による献血事業への理解促進
毎年夏には広島県赤十字血液センターを見学をします。日本赤十字社中四国ブロック血液センター相談役の小林正夫先生から現在の献血の実情や、いかに若い世代への献血の普及が重要かといったお話を伺ったり、献血によって集められた血液がどのようにして製剤となるのかを学んだりしました。

今年の見学会は16人参加
(広島県赤十字血液センターにて)

献血バスを再現したスペースで、
職員の方に献血の流れや器具に
ついて説明を受ける様子。
 

(3)  献血推進イベントへのボランティア参加
広島県赤十字血液センターが主催する、イオンモールやLECTといったショッピングモールでの、献血バス配車やその他イベントにボランティアとして参加しています。
  • 部員数:28人(1年:11人、2年:8人、3年:9人)※2024年度
  • 年間活動スケジュール
2月 新入生勧誘に向けて準備
3月~5月 新入生勧誘
3月 春の学内献血に向けて、学生支援グループ・赤十字学生担当と打ち合わせ
4月 春の学内献血
5月 新入生歓迎会
8月 血液センター見学
10月 霞祭(献血に関する展示)
11月 冬の学内献血に向けて、学生支援グループ・赤十字学生担当と打ち合わせ
12月 冬の学内献血

活動を通じて、どのような点が成長できましたか。エピソードとあわせて教えてください。

平良さん)  最初は興味本位で始めたサークル活動でしたが、研修や輸血を受けた方のお話を聞く機会を通じて献血の大切さを深く学ぶことができました。今ではより多くの方に献血に協力していただけるように献血推進活動を行っていこうと、積極的に考えるようになりました。
上田さん) 輸血に多くの方のご協力があること、それに支えられて医療が成り立っていることを、実感をもって学ぶことができました。また、献血推進の呼びかけを通じて、主体性とコミュニケーション能力が向上しました。最初は躊躇していた呼びかけも、相手の興味を引く工夫を重ねるうちに自信がつきました。ショッピングモールでは、献血が身近なことと感じてもらえ、質問を受ける機会も増えました。また、活動中に子どもが献血のプラカードを見て興味を示すこともあり、「献血って何?」とお母さんに聞いて教えてもらっている光景を見て、自分たちの活動が役立っていると嬉しくなりました。

代表として、活動の中で心掛けていることを教えてください。

上田さん)  赤十字血液センターの方など、目上の方との連絡をすることが多く、失礼のないように気をつけています。また、サークル内では、意見が言い易いなど、居心地がよく、また、役割分担などによってやりがいを感じられる環境づくりにも取り組んでいます。
 
平良さん)  代表として、できるだけ多くの活動に参加することを心がけています。昨年(2024年)は、中四国の学生が集まる研修会に参加しました。他県の方と交流し、他大学での活動も知ることもでき、大変刺激になりました。
「Kasumi-bloodonors」は、2019年12月に発足し、現在5年目になります。比較的新しい団体ですが、今後も交流を通じて活動の幅を広げていきたいです。

2024年10月 
2日間の中四国研修
(香川県高松市)

今後の目標について教えてください。

 現在、40~50歳台前後の献血者数にくらべ、10~30代の献血者数は伸び悩んでいます。目指すところは、私たちのような若年層の献血協力を増やし、皆さんに献血の習慣を持ってもらうことです。
 今年度の学内献血では、InstagramやXといったSNSの積極的な活用や、広島県赤十字血液センターのご協力のもと、モバイルバッテリー、アロマオイルなどといった若い世代に向けた魅力的な献血記念品の選定ができたことで、春と冬のどちらも、目標の献血者数(62人)を超えることができました。(春:62人→79人、冬:62人→66人) おかげで、2024年8月には広島県知事感謝状もいただくことができました。
(https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/kenketsu/r6kenketuhyousyou.html)

 1回経験すると献血に対する抵抗感がなくなるという声もあるので、今後は、まだ1回も献血をしたことがない人をどうやって呼び込んでいくのかを課題に、これからも活動を頑張りたいと思います。
 また、今は、霞キャンパスを中心とした活動となっているので、東千田キャンパスや東広島キャンパスなど、広島大学全体として献血推進活動を広め、学内献血者数を増やしていくことを目指していきたいです。

2024年8月
広島県献血推進功労者等表彰伝達式にて

霞祭には
献血推進キャラクター
「けんけつちゃん」も参加

献血によって集められた血液はどうなるの?

 献血によって集められた血液は、ブロック血液センターに送られ、精密な検査の後、血液成分ごとに分離され血液製剤となり、医療機関の要請に応じて届けられます。輸血用血液製剤には、赤血球製剤、血漿製剤、血小板製剤の種類があり、患者さんに必要な成分を輸血します。採血された血液をそのまま輸血する時は全血製剤を用います。昔は全血製剤による輸血が主流でしたが、現在は成分輸血が主流です。

献血の流れ

 献血には全血献血(200mL・400mL)と成分献血があり、献血バスでは全血献血、献血ルームでは全血献血と血漿成分献血、血小板成分献血ができます。献血の流れとしては、まず受付を行い、問診・事前検査で問題がなければ、採血します。
 また、献血後の血液検査によって、血圧・脈拍、生化学検査7項目、血球計数検査8項目のデータを知ることができ、実際に、急性白血病や急性肝炎といった重大な病気の早期発見につながった事例もあります。
 現在、輸血に使用する血液は、まだ人工的に造ることができず、長期保存することもできません。そのため、常に献血によって集められる血液が必要です。ぜひ献血にご協力をお願いします!
 

(2025年2月取材/広報室G)

【お問い合わせ先】

広島大学広報室

E-mail: koho*office.hiroshima-u.ac.jp
(*は半角@に置き換えた上、送信してください)


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