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[研究成果]「サイエンス」誌に発表!陸上植物の進化の謎、世代交代成立の仕組みを解明



会場の様子

東京オフィスでの記者説明会の様子



広島大学大学院理学研究科の榊原恵子特任助教、出口博則教授らの研究グループは、オーストラリア・モナシュ大学、基礎生物学研究所との共同研究によって、陸上植物における世代交代機構の解明に成功し、3月1日付けで科学雑誌Scienceに掲載されました。

掲載に先立ち、平成25年2月25日(月)に広島大学東京オフィスにおいて、また翌日の2月26日(火)に東広島キャンパスにおいて、記者説明会を開催しました。

陸上植物は、形も特徴も異なる配偶体(単相)と胞子体(複相)を交互に作る世代交代を行います。この、高校生物の教科書にも登場する陸上植物の世代交代は、160年前にドイツのホフマイスターによって、植物の詳しい観察から発見されました。しかし、その仕組みは解明されることなく謎であり続けました。

榊原特任助教らの研究グループは、コケ植物のヒメツリガネゴケを使った実験を行い、陸上植物が複相から単相へと変化する時のスイッチとして働いているを遺伝子を発見し、陸上植物の世代交代の仕組みを解明しました。発見した遺伝子は、「KNOX2遺伝子」と呼ばれる指令遺伝子(他の遺伝子の働きを促進または抑制する遺伝子)です。ヒメツリガネゴケからこの「KNOX2遺伝子」を取り除くと、複相の成長が止まり、複相の染色体数を保ったまま、単相に似た組織を作ることを発見し、今回の成果につながりました。「KNOX2遺伝子」は陸上植物からしか見つかっていないので、陸上植物の進化の過程で「KNOX2遺伝子」を獲得したことが、現在のような陸上植物の世代交代の成立に重要であったと考えられます。

この研究成果を用いれば、植物の形や特徴を変化させ、有用な植物の種子を均質、迅速、大量に作れるようになる可能性があります。



榊原特任助教の写真

発表を行った榊原恵子特任助教



【お問い合わせ先】

(研究内容に関すること)

広島大学理学研究科生物科学専攻 特任助教 榊原恵子 (さかきばら けいこ)


Tel: 082-424-7452(研究室)


E-mail: bara*hiroshima-u.ac.jp

(記事に関すること)

学術・社会産学連携室広報グループ

TEL:082-424-4518

E-mail:koho*office.hiroshima-u.ac.jp

(*は半角@に置き換えてください)


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