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[研究成果]ゲノム編集技術と発生工学を組み合わせた効率の良い遺伝子改変動物の作出方法を開発~個体レベルでの迅速な遺伝子機能解析を可能に~



近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市)遺伝子工学科講師 宮本圭と広島大学大学院理学研究科/ゲノム編集研究拠点(広島県東広島市)特任准教授 鈴木賢一は、ケンブリッジ大学ガードン研究所の研究者との共同研究により、ゲノム編集技術と発生工学を組み合わせ、効率良く遺伝子改変動物を作出する手法の開発に成功しました。

本研究成果は、平成27年(2015年)11月19日(木)午前4時(日本時間)、米国Public Library of Scienceの科学雑誌「PLOS ONE」のオンライン版に掲載されました。

【本件のポイント】

● 未受精卵のもととなる卵母細胞の試験管内成熟と精子核移植という二つの発生工学的手法とゲノム編集技術を組み合わせた新しい技術の開発に成功

● これまでより迅速な遺伝子改変動物の作出が可能に

● ヒトの遺伝子疾患にかかったモデル動物の作出や、基礎生物学・畜産・創薬研究の発展につながる

研究グループは、未受精卵の前段階である卵母細胞にあらかじめ人工DNA切断酵素を注入し、培養した後に精子核移植することで、遺伝子を発生の早い段階で効率よく破壊し、モザイク性の低い胚を得ることに成功しました。実験で使用したカエルについては、遺伝子改変動物を作出する期間として、最大1年間短縮できることがわかりました。

本研究成果を他の生物種へ応用することにより、ヒトがかかる疾患のモデルとなる動物を作出することや、基礎生物学・畜産・創薬研究などの発展に寄与することが期待されます。



<発表論文>

論文タイトル

The Expression of TALEN before Fertilization Provides a Rapid Knock-out Phenotype in Xenopus laevis Founder Embryos

(受精前のカエル胚における人工DNA切断酵素TALENの発現は、当世代での迅速な遺伝子ノックアウト個体の作出を可能にする)

著 者

Kei Miyamoto*, Ken-ichi T Suzuki*, Miyuki Suzuki, Yuto Sakane, Tetsushi Sakuma, Sarah Herberg, Angela Simeone, David Simpson, Jerome Jullien, Takashi Yamamoto, and J B Gurdon *共同筆頭著者及び責任著者

掲載雑誌

PLOS ONE

DOI

10.1371/journal.pone.0142946

【お問い合わせ先】

広島大学大学院理学研究科 特任准教授 鈴木 賢一

TEL:082-424-7448

E-mail:suzuk107*hiroshima-u.ac.jp(*は半角@に置き換えてください)


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