内視鏡トレーニングセンターとは

Top Page スタッフ構成

1) 背景

 わが国では,胃癌・大腸癌の罹患率・死亡数は増加傾向にあり,消化器内視鏡検査による早期診断と内視鏡治療は,その罹患率・死亡数を減少させうると共に進行癌に対する外科手術や化学療法を中心とした集学的治療に要している膨大な医療費の削減にもつながり,国民の健康と医療経済に貢献しております。

 内視鏡研修の基本となる消化管内視鏡診療領域に関して,早期消化管癌(食道癌,胃癌,大腸癌)の内視鏡治療件数は増加の一途をたどり,早期胃癌の内視鏡治療総計は,胃癌の外科手術件数より既に多くなっております。

 しかし,一方で,内視鏡検査・治療の需要が極めて大きいにも関わらず,一定の技術水準を満たす内視鏡専門医が絶対的に不足しており,その教育・育成が急務です。消化器内視鏡検査は侵襲的な検査ですが,近年その検査・治療内容も高度な技術を要するようになったこともあり,実際,消化器内視鏡診療に伴う種々の偶発症も報告されています。このような背景の中,若い医師が患者の診療経験を通してその技術を習得していくことの難しさが指摘されており,内視鏡訓練施設の設置と有効活用は重要な課題となっています。

2) 求められる役割

 内視鏡トレーニングセンターには,電子内視鏡システムと消化管内視鏡用トレーニング模型(上部・下部)に加え,最新のコンピューター内視鏡シミュレーター(上部・下部消化管内視鏡,気管支鏡)を設置しています。

 コンピューター内視鏡シュミレーター,上部消化管のゴム模型,大腸のゴム模型などは患者相手でないため,学生,研修医に対して自由に使用が可能であり,消化器内視鏡に触れたことのない初学者の研修に適しています。ゴム模型では内視鏡の操作能を習得でき、コンピューター内視鏡シュミレーターでは内視鏡の操作能のみでなく,内視鏡治療も経験できます。

 電子内視鏡システムのセットは,ゴム模型のみならず,動物の切除臓器(胃・大腸など)を用いた内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を生体内に近い状態で体験可能で,ハンズオンとして内視鏡治療初心者の技術習得に有用です。内視鏡治療は侵襲的な技術で偶発症も起こりうるため,初学者は生体内ではなく動物の切除臓器によるハンズオンが技術習得に重要です。

 本センターは,学生実習(ポリクリ),初期研修医・後期研修医のみならず,内視鏡医の卒後教育にも有用であり,このような内視鏡訓練設備は,広島県内及び近郊には設置されていないため,高度な内視鏡診療を行える内視鏡専門医を多数育成し,地域の関連施設に派遣することで地域全体の内視鏡診療のレベルアップに貢献してゆきます。


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