広島大学教育学部造形芸術系コース 多田羅
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教育学部造形芸術系コースの学生有志と教員、地域の方で作った「丸木位里と故郷・飯室をつなぐプロジェクト」チームは、平和活動に取り組み続けた画家・丸木位里の出生地・飯室で、8月6日にアートイベント「ミライへ 紡ぐ、芸術と平和のまち」を開催しました。
会場入口では、飯室児童館の児童が制作した大きな4本の樹が出迎えました。
これは、8月4日に飯室児童館にて児童32名が参加しておこなったワークショップ「みんなでぺたぺた」での作品です。プロジェクトの学生メンバーが準備した色とりどりの幹に、飯室ゆかりの画家・丸木スマの技法「押し葉」(葉に絵具を付けて紙にスタンプ)を用いて、児童が葉を繁らせ、大きな樹にしていきます。
葉っぱだけではなく、野菜やスポンジ、自分の手など様々なものをスタンプしました。
スタンプした紙を、幹の周りに貼って樹を大きくしていきます。樹ができたら、別の紙に自分を描き、自分が樹のどこにいたいかを考えて貼りました。
作品が展示された8月6日は、ワークショップ「広げようミライの樹」と題して、参加者が子供たちの作品にコメントを書き、樹の根元に貼り足していきました。
「元気を分けてもらった」「未来の芸術家になるかもしれないこどもたちののびのびとした表現がこの先もずっと続いてほしい」といった感想が寄せられました。
また、旧安芸飯室駅舎内では、丸木位里が描いていた水墨画と、丸木スマが用いた押し葉の技法を体験し、色紙やポストカードを作るワークショップをおこないました。墨の濃淡やカラフルな絵具を使った押し葉を組み合わせた、夏らしい作品ができあがりました。
学生メンバーによるギャラリートークもおこなわれ、飯室で見られる芸術家たちの作品の紹介や、調査を通して感じた飯室の魅力が語られました。
大きな樹の作品は、このあと安佐公民館でも展示予定です。子供たちの元気な作品が地域の方々の目に触れ、平和と芸術のまち・飯室がますます盛り上がることを願っています。