IBDセンターとは

Top Page スタッフ構成 IBD診療の実際

 

1) IBDとは

 炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease; IBD) は主に潰瘍性大腸炎とクローン病を指し、いずれも厚生労働省の難病対策における「特定疾患」に指定されており、未だに原因が完全には解明されていない病気です。以前は比較的まれな疾患と考えられていましたが、近年患者数が増加し、平成23年度の報告では潰瘍性大腸炎が約14万人、クローン病が約4万人と珍しい病気ではなくなってきています。

 この病気は比較的若年者に発症します。主な症状は腹痛や下痢、血便であり、これらの症状の再燃と寛解を繰り返す例が多いことが特徴です。根本的な治療はなく、完治させることは困難ですが、近年さまざまな内科的治療が開発され、長期に寛解維持できる方が増えてきました。

2) IBDセンターとは

 IBDの診療にはさまざまな科が関与します。IBD治療の基本は内科治療ですが、内科治療でも改善しない難治例や、大量下血、腸管穿孔、癌の合併がみられる例では外科治療が必要となります。また、前述のように若年者で発症しますので、小児で発症される方、これから妊娠を考えている方も多くおられ、小児科や産科婦人科との連携も必要になってきます。更に、皮膚炎や関節炎といった腸管外合併症も少なくなく、皮膚科や膠原病内科をはじめ、感染症科、精神科などの先生とのチーム医療が不可欠です。

 内科治療も多岐に渡るようになり、他科との連携の下に治療を行うケースが増えてきました。例えば白血球除去療法を行う場合は透析内科、生物学的製剤の点滴加療を行う場合にはがん化学療法科と連携して診療を行っています。また、先に述べたようにIBDは完治させることが困難であり、発症した場合は長く付き合っていく必要がある疾患です。その為、日常生活や学業就労支援面においては看護部,栄養管理部,ソーシャルワーカー,転勤や海外出張される方には診療支援部など,他診療部との共同体制も欠かせません。

 そこで、多科、多職種との連携をより強固なものとし、より良いIBD診療を提供する為に設立されたのがIBDセンターです。

主治医や担当看護師をとおして、お気軽にご相談ください。


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