広島大学は、2017年度から、教養教育の一環として、スポーツ、芸術、科学、ビジネスなど各界で活躍されているリーダーをお招きし、学部新入生を対象に講演を行っています。
本学では、大学で専門的な分野の学識を深めるのと同時に、幅広い教養、すなわちリベラル・アーツを生涯にわたって培っていくことが何より大切と考えています。
世界で活躍するリーダーたちが、どのような学生時代を過ごし、困難を乗り越えたのか。
大学での新しい一歩を踏み出す新入生に、間近で生きざまやスピリッツに触れてもらい、ワクワクする何かをつかんでもらうことを目的としています。
2021年度は、以下の方々に講義を行っていただきました。
※2021年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により対面形式での講演を一部中止しました。
(中止とした講演)
上田 宗冏氏(茶道上田宗箇流家元)
高垣 広徳氏(東広島市長)
中丸 三千繪氏(オペラ歌手)
茂木 健一郎氏 (脳科学者)
モーリー・ロバートソン氏 (国際ジャーナリスト)

越智学長は、大学の概要や学生生活で役立つさまざまな学生支援制度を紹介しました。また、学生に「どんなことでも、まずは自分の頭でよく考えてみてほしい」と語り、「皆さんも、自分の得意分野を生かしながら、卒業後はリーダーになってほしい」と激励しました。

講演は学生からの質問に野村氏が回答する対談形式で行いました。自身の学生時代の生活や交友関係、プロ野球選手および監督時代の経験を振り返りながら、学生へ「人の話を聞くときには、相手に不快感を与えないこと。話の聞き方によって、自身の成長具合が変わってくる」などをアドバイスしました。

五百旗頭氏は「コロナ禍の世界と日本」をテーマに、自然災害、人為災害や感染症等、人類が乗り越えてきた様々な困難の歴史を振り返り、現在直面している新型コロナウイルスの位置づけを説明した上で、各国の新型コロナウイルスへの対応による世界情勢の変化について触れ、新型コロナウイルスによって人命のみならず経済までもが脅かされている今、民主主義と国家管理体制の在り方が問われていると学生たちに問題を投げかけました。

弘兼氏は「弘兼流漫画制作術」をテーマに、幼少期に形成された絵や漫画に対する姿勢、学生時代のご活動、厳しい社会人生活の中で得た人脈や仕事に対するスタンス等、現在の漫画家としてのご活躍を形作る様々な人生経験について語りました。また、学生からの質問に対し、努力すれば実現可能な目標を繰り返し達成していくことで、当初の目標よりも高い目標を自分でも気づかないうちに達成することができると語りました。

池谷教授は「記憶・学習のしくみとコツ」をテーマに、様々な角度から行われた脳科学に関する綿密な実験の結果をもとに、効率的な学習方法について紹介しました。また、「その日のうちに復習する」「間隔を空けて繰り返す」「テストを取り入れよ」等、18項目にわたる学習の流儀を紹介し、最後は大学生活4年間を楽しく学び、過ごしてほしいと語りました。

伊東氏は、世界に名だたる建築家のポリシーや作品を紹介しながら、建築がどのように進歩してきたかを説明した上で、経済発展に重きを置き均質化した社会の中で、身体と自然とのコミュニケーションをいかにして回復するかということが現代社会における課題ととらえ、本当に身体が求めている建築とは何かということを、建築を通して追究していきたいと語りました。

二宮氏は、東京オリンピックや2002年の日韓共催FIFAワールドカップ等の話題に触れながら、物事をゼロサムで考えるのではなく、総合的に判断する能力が求められていると語りました。また、学生らがこれから社会に出ていくにあたって、既存のルールにとらわれず、よりよいルールを作るための交渉力を早いうちから身に付けてほしいと期待を述べました。