人文学は、移り変わりの激しい世の中で、さまざまな書物や事物に触発されながらも、表面的な変化にとらわれずにじっくりと深く考え、ものごとの本質が見極められるようになるところに、その醍醐味がある学問です。
しかし、一見世の中との関連が見えづらい学問分野であるため、この道を進みたいと思う時、あるいは進んでゆく途上で、色々な迷いが生じるかもしれません。わたしたち人文学プログラムの教員も、やはり、迷い悩みながらも、好きな研究に打ち込む決心をし、研究を続けてきました。
このページでは、研究論文からは見えてこないわたしたちの姿、つまり、研究者となった経緯、あるいは現在取り組んでいる研究の面白さにとりつかれた理由などについてのエッセイを集めました。文学部を受験しようと考えている方々や人文学系の研究を志そうとしている方々にとって、これらのエッセイが、この道を進むことへの迷いや不安を軽減するものとなり、人文学の楽しさを再確認する一助となれば幸いです。
比較日本文化学分野
- 出藍の誉れ― 学不可以已・・・佐藤 利行
- 「知」の広がりは出会いから・・・高永 茂
- 脱植民化という思想=運動との出会い・・・中村 平
- 忘れえぬ言葉・・・溝渕 園子
- KITSNIK LAURI
- ふるさと、マルチエクスポージャーの一枚・・・劉 金鵬
- 心が癒される扉・・・李 麗
哲学分野
インド哲学分野
- チベットの恩師から学んだこと・・・根本 裕史
- 自己のためと他者のためのサンスクリット学・・・川村悠人
倫理学分野
- 「汝自身を知れ」の道はつづく・・・衞藤 吉則
- 拠りどころへの<近さ>と<遠さ>・・・後藤 雄太
- 東インド会社から遠く離れて・・・岡本 慎平
中国思想文化学分野
日本史学分野
- 今からみると何とも無駄な‥‥・・・中山 富廣
- 学問の継承・・・本多 博之
- 「お前の恨みを否定の王冠のように身にまとえ」・・・奈良 勝司
東洋史学分野
- 歴史を転倒するスリル・・・金子 肇
- 大海に釣り糸を垂れる―ヴェトナムの「史料革命」に直面して―・・・八尾 隆生
- 回り道も一つのショートカット・・・舩田 善之
西洋史学分野
- 「ロンドンに飽きた? それは人生に飽きたってことさ。」・・・井内 太郎
- 「文字」に魅せられて・・・前野 弘志
- 「辺境」へのまなざし・・・足立 孝
日本文学語学分野
- いつもポケットに文学を・・・有元 伸子
- 37年目の謝辞・・・久保田 啓一
- 生の古文をさばいて味わう・・・妹尾 好信
- 人文学へのいざない ・・・下岡 友加
- なりゆきで・・・白井 純
- 文学を通して世界へ―日本文学研究の楽しさ・・・DALMI,Katalin
中国文学語学分野
- 陸游のネコ、杜甫のイヌ・・・小川 恒男
- 作品に「呼ばれて」・・・川島 優子
- 白楽天夢想物語・・・・陳 翀
アメリカ・イギリス文学分野
- 文学を研究するということ・・・大地 真介
- 星を求める蛾の願い・・・吉中 孝志
- 倉田 賢一
- 物語と場所・・・松永 京子
- 亡霊、死者たち、光の国・・・松本 舞
英語学分野
- 教師と英語と文学・・・今林 修
- 謎解きの趣味がこうじて・・・大野 英志
ドイツ文学語学分野
- ドイツ語・ドイツ文学・演劇への誘い・・・小林 英起子
- Alles ist interessant !・・・Federmair, Leopold
- コーパスを活用した現代ドイツ語の計量的研究へのいざない:現代ドイツ語はどのように変わってきているのか?・・・今道 晴彦
- 文学は嘘の世界か・・・古川 昌文
フランス文学語学分野
- 読書の効能?・・・宮川 朗子
- 国境を越えて、人を繋げる・・・Beauvieux,Marie=Noëlle
- 人は研究者として生まれるわけではない・・・Lorrillard,Olivier
言語学分野
- 「森の中の旅人の話」ー言語学へのいざないー・・・今田 良信
- 言語学は科学です・・・上野 貴史
地理学分野
- カリフォルニア、黄金の夏・・・奥村 晃史
- おでんが修論でなくてよかったな・・・友澤 和夫
- 地理学者をめざしたきっかけ─中山修一先生の授業と広島大学のインド調査─・・・後藤 拓也
- 自分なりの組み合わせで知的な創造を ─色眼鏡で地形を読む─・・・後藤 秀昭
- きっかけはゴリラ・・・笛吹 理絵
考古学分野
- 井手寺跡の発掘調査・・・野島 永
- 有松 唯
文化財学分野
- 続 らんこんとる・あれこれ・・・安嶋 紀昭
- インドネシアの仏像との出逢い・・・伊藤 奈保子
- 文学部なのに建築史??・・・中村 泰朗